日本に進出した海外SaaSの公式ブログで、執筆者名入りの記事を制作
Aurora Mobile株式会社様は、顧客エンゲージメント基盤「EngageLab(エンゲージラボ)」を日本で展開している会社です。日本語の公式ブログ向けに、「One to Oneマーケティング」のSEO記事を先方の構成案に沿って執筆しました。公開記事の執筆者欄に載っているのは、SuzuLabo代表 鎌田大輝の名前とプロフィールです。
公開記事の冒頭(EngageLab 日本語ブログ)。タイトルの下に執筆者名と更新日が表示されている(画面は2026年10月9日時点)
2011年に中国で生まれ、日本でも展開しているEngageLab
Aurora Mobile(NASDAQ:JG)は、2011年に中国で設立された、顧客エンゲージメントとマーケティング技術の会社です。出発点は、企業向けのプッシュ通知サービスでした。現在は、海外に展開する企業向けの基盤「EngageLab」を提供しています。
日本での展開を担っているのは、東京・虎ノ門に拠点を置くAurora Mobile株式会社様です。EngageLabは、アプリやWebのプッシュ通知、メール、SMS、WhatsApp、マーケティングオートメーション、認証などを1つの基盤にまとめた製品群。公式サイトでの紹介は、AIファーストの顧客エンゲージメントプラットフォーム、という言葉です。
日本語の公式サイトにあるのは、製品の案内と、マーケティング担当者向けのブログです。今回の記事は、このブログに載るものでした。
ご相談の内容:日本の読者に向けた、日本語のSEO記事
ご相談をいただいたのは2026年9月、EngageLabの日本展開を担当されている方からでした。日本語で読まれるSEO記事を書けるライターを探している、という内容です。
テーマの候補は、B2B SaaSの導入検討、メール・SMS・WhatsAppなどの配信、認証とセキュリティなど。構成案は基本的に先方で用意し、場合によってはキーワードの選定や調査から任せたい、というお話でした。
SuzuLaboからお伝えしたのは、進め方と、過去に執筆者名つきで公開された記事の実物です。進め方は、想定読者と狙うキーワードの確認、構成案の確認、初稿、ご指摘の反映の4段階。まず1本をお試しいただき、用語や文体を貴社の基準に合わせていく形でご提案しました。

代表・鎌田
日本語を母語としないチームが日本語の記事を外注するとき、難しいのは、仕上がりの日本語を自分たちで判定できないことだと思います。だから最初にお見せするのは、件数ではなく、執筆者名つきで公開されている記事1本です。媒体が名前を出して載せた実物は、日本語の仕上がりを判断する材料になります。
進め方:先方の構成案を正本にして、初稿へ
今回の記事の正本は、先方の構成案でした。流れは次のとおりです。
ご発注から執筆者情報の掲載まで
ご発注(9月16日)
1本目の記事をご依頼いただく
構成案の受領(9月18日)
先方から11ページの構成案。キーワード、記事の位置づけ、見出し、表、リンク先、表記のルール、使わない表現まで指定されている
初稿の送付(9月23日)
構成案どおりの見出しで執筆し、Wordで送付
確認と納品(9月24日)
先方の社内確認を経て、そのまま納品
記事の公開(9月30日)
先方で図解や導入事例を加え、公式ブログで公開
執筆者情報の掲載(10月9日)
先方から執筆者名の掲載についてご提案をいただき、名前、肩書、プロフィール、顔写真を掲載
※ 日付は、先方とのやり取りの記録と、公開ページに記録されている公開日(2026年9月30日)・更新日(2026年10月9日)で確認したものです。
図:どの工程を先方が担い、どの工程をSuzuLaboが担ったか。上の段がAurora Mobile様、下の段がSuzuLaboです
構成案は、記事の狙いがはっきりしていました。「One to Oneマーケティングは古いのか」という読者の疑問に正面から答え、古くなったのは考え方ではなく実践の方法だ、という見解を軸にする。最初のページに書かれていたのは、その方針でした。

代表・鎌田
構成案がここまで詳しいと、ライターに残る仕事は何かと思われるかもしれません。残るのは、日本の担当者が同僚の助言として読める日本語にすること、用語を日本の担当者が普段使う言い方で書くこと、各節の最後に次の行動を書くことです。ここは、日本語で読む側に立たないと埋まりません。
執筆で時間を使った4つのこと
構成案が詳しいほど、ライターの仕事は空欄を埋める作業に見えがちです。ただ、本社の基準で組まれた構成案を、日本の担当者がそのまま社内で使える記事にするには、埋める以外の仕事が残ります。今回、時間を使ったのは次の4点です。
1. 日本の担当者が、同僚の助言として読める日本語にする
構成案の日本語ルールには、経験のあるCRMやマーケティング運用の担当者が同僚に助言するような調子で書く、という指定がありました。外国語の資料を訳したような言い回しを避け、日本の現場の担当者が普段使う言葉で書く、ということです。
表記は、One to One、1to1、カタカナ表記を機械的に入れ替えずに散らし、読者の呼び方は「自社」「担当者」に統一。文末が同じ形で続いて単調にならないよう、納品前に文末の種類を数えて確かめています。
2. 構成案の見解を、本文の判断基準にする
各節で、古くなった実践の方法と、いま成果につながる条件を対比させました。ゴールは、読み終えたときに最初のジャーニー(顧客との一連の接点の設計)を1つ決められる状態。そのために、小さく始める手順の節を厚くしています。
表は、先方が指定した4つに加えて、最初に組む2本のジャーニーの設計例を1つ足しました。開始の条件、送る内容、分岐、終了の条件、測る出来事を1枚で見られる形です。
3. ブラウザや規制の話は、公式の一次情報で時点を確かめる
Cookieをめぐる話題は、古い情報や誤解が広まりやすい分野です。GoogleのChrome公式ブログとWebKitの公式ページで現在の方針を確かめ、本文には確認した時点を書きました。
先方の構成案にも、根拠のない言い切りを避ける指定がありました。読者が社内で説明に使える記事にするには、欠かせない確認です。
4. 製品の位置づけを、先方の定義どおりに書く
EngageLabは、顧客との接点を設計して配信を実行する層であり、顧客データの基盤そのものではない。構成案には、こうした製品の位置づけが定義されていました。
製品を大きく見せる言葉は足していません。選んだのは、読者が自社の仕組みのどこに当てはめるかが分かる書き方です。
初稿は、構成案の要件(見出し、表、リンク、表記)に照合したうえで、本文の根拠と日本語を別の目で点検してから送付しました。文字数は、先方の目安より少し長くなりました。削った版も用意できることを添えて、どちらにするかは先方にお任せする形です。
| 項目 | 先方の構成案で決まっていたこと | SuzuLaboが判断したこと |
|---|---|---|
| 狙いと軸 | 読者の疑問に正面から答える。古いのは考え方ではなく、実践の方法 | 各節で古い方法と今の条件を対比し、読み終えたときに最初のジャーニーを決められる状態をゴールにした |
| 見出し | H2とH3の構成。カタカナ表記を入れる見出し | 見出しの順番は変えず、各節の最後を判断基準か次の行動で締めた |
| 表 | 4つ(関連する概念の比較、適した場面、従来型と現代型の比較、KPI) | 最初に組む2本のジャーニーの設計例を1つ追加した |
| リンク | 内部リンク6本、製品ページ1本、外部リンク2本 | 全URLが開くことを確かめ、本文の流れに合う位置に置いた |
| 表記・表現 | 段落の長さ、読者の呼び方、使わない表現 | 指定に沿って書き、表記は機械的に入れ替えずに散らした。根拠のない言い切りを避け、文末の単調さは納品前に直した |
| 事実の確認 | 時点を書く | ブラウザの方針を公式の一次情報で確かめ、確認した年月を本文に入れた |
表:構成案で決まっていたことと、SuzuLaboが判断したこと
公開された記事
公開された記事は、EngageLabの日本語ブログで読めます。公開版は、SuzuLaboが納品した原稿に、先方が図解、導入事例の紹介、製品の案内を加え、本文も一部調整したものです。現在表示されている本文のすべてが、当社の原稿のままというわけではありません。
One to Oneマーケティングの基本|顧客別施策の実践方法と注意点
One to Oneマーケティングの定義と関連する概念との違い、適した場面、5つの手法、小さく始める手順、注意点を扱った記事です。読み終えたときに、最初のジャーニーを1つ決められる状態を目標にしています。
記事の冒頭
記事末尾の執筆者欄
本文の中盤。小さく始める5つの手順の節
SuzuLaboが追加した、2本のジャーニーの設計例の表
海外に本社がある会社の日本語コンテンツで、効いたこと
海外の本社から日本語の記事を任された方は、何から確かめればよいか迷うことも多いのではないでしょうか。今回の進め方で効いたと思うことは、3つあります。
1つ目は、先方の基準を正本にしたことです。海外に本社がある会社の日本語コンテンツには、製品の位置づけ、使わない表現、表記といった本社の基準があります。日本語の読みやすさを優先してそこを崩せば、確認の往復が増えるだけです。今回は構成案を正本にして、本文の判断基準だけを足しました。
2つ目は、日本語の自然さと事実の確認を、日本語の側で引き受けたことです。日本の担当者が読んで違和感のない言い回し、国内で広まっている誤解、公式情報の時点。日本語を母語としないチームが一つずつ確かめるには、負担の大きい部分です。今回は、先方の社内確認を経て、そのまま納品になりました。
3つ目は、執筆者の名前が出る形で公開されたことです。誰が書いたかが分かる記事は、読者にとっても媒体にとっても確かめやすいものです。依頼を検討されている方も、その記事を開けば、日本語の仕上がりをご自身の目で確かめられます。
海外には良いサービスがあっても、日本語で探している人に届いていないことが少なくない。そう感じてきました。今回は、そこを1本の記事ぶんだけ手伝えた仕事です。
なお、記事の公開から日が浅いため、検索順位や流入の数字はこのページには未掲載です。
日本語のSEO記事制作のご相談を受け付けています
海外に本社がある会社の日本法人、日本向けにサービスを展開している会社からのご相談も、日本語で承ります。本社の構成案や用語の基準があればそれを正本にして、日本の読者に自然な日本語で仕上げます。
構成案がない場合は、キーワードの選定と構成案からご一緒する形です。いまのサイトのURLと、書きたいテーマ、または困っていることをお送りください。まずは1本からで大丈夫です。

