逆SEOとは?手法と費用相場、頼んだ側に返ってくるリスク

検索結果の上のほうに、自社にとって不利な記事が居座っている。消してもらえないなら、せめて下げられないか。そう考えて逆SEOという言葉にたどり着く方は少なくありません。
調べていくと、たいてい同じところで止まります。手法の説明はいくらでも見つかるのに、それをやると何が起きるのかが「グレー」の一言で片づけられている。金額の幅も広すぎて、高いのか安いのかも判断できない。
この記事では、その2つを実際の資料で埋めます。逆SEOで使われる手法には、Googleが公開しているスパムに関するポリシーの中に、ひとつずつ名前が付いています。「グレー」ではなく、条文に書いてあります。そして公開されている料金と、事業者が配布している料金資料を調べると、風評被害対策という同じ名前のサービスで、価格が100倍以上ひらいていました。
逆SEOという言葉が指しているもの
逆SEO(※)とは、検索結果の上位にある特定のページを、相対的に下へ動かすことを狙った施策の総称です。自社にとって不利な記事を目立たなくするために、代わりに上げたいページを用意して順位を入れ替えにいく、という考え方が中心にあります。
※逆SEO=自社に不利なページの検索順位を下げることを狙って、別のページを上位に押し上げる施策の総称。「風評被害対策」の一部として売られていることが多い言葉です。
紛らわしいのは、この言葉が立場の違う2つの場面で使われることです。
- 自社に不利なページを下げるために、自分から発注する場合
- 他社や第三者から仕掛けられ、自社のページが下げられている場合(ネガティブSEOと呼び分けられることもあります)
この記事は主に前者、つまり発注を検討している方に向けて書いています。後者については最後の章で触れます。
逆SEOの手法には、Googleの条文に名前がついています
ここがこの記事の中心です。逆SEOのサービスとして提示される手法は、おおむね次のようなものです。そして、そのそれぞれに対応する条文が、Googleのスパムに関するポリシーに存在します。

たとえば、上げたいページを大量に作る手法について、Googleはこう書いています。
ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することを指します。
他のサイトから自社サイトへ向けたリンク(被リンク)を買う手法にも、条文があります。Googleがリンクスパムの例に挙げているのは「ランキングを上げることを目的としたリンクの売買」で、記事広告やネイティブ広告についても「リンクを含む記事に対して支払いが行われる」ものと条件が付いています。
ただし、ここには線引きがあります。Googleは同じ節で、広告やスポンサー活動として売買されるリンクも、広告であることを検索エンジンに伝える指定を付けている限り違反にはならない、と明記しています。プレスリリースについても、配信すること自体が条文に挙がっているわけではありません。名指しされているのは「プレスリリース内の作為的なアンカー テキスト リンク」、つまり順位を動かす目的で、リンクの貼られた文字を不自然に仕込む形です。
このほか、過去に使われていて期限が切れたドメインを買い取り、そこに残っている評価を流用する手法もあります。Googleは「期限切れのドメインの不正使用」として、これも条文に挙げています。
なかでも実務上いちばん気をつけたいのが、すでに評価の高いメディアに記事を出して上位に入れる手法です。Googleはこれを「サイトの評判の不正使用」と呼んでいます。かみ砕くと、そのメディアが長年かけて積み上げた検索での信用を借りることが主な目的で記事を出す行為、という意味です。条文では次のように定義されています。
ホストサイトにおいて、基本的にファーストパーティのコンテンツによってすでに確立されたランキング シグナルを利用することを主な目的として、そのサイトにサードパーティのコンテンツを公開する行為
※ホストサイト=記事を載せる側のメディア。ファーストパーティ=そのメディアの中の人が書いた、もともとの記事。ランキング シグナル=Googleが順位を決めるときに見ている、そのサイトへの評価。サードパーティ=そのメディアの中の人ではない、外部の書き手。
この線引きは正確に読んでおくと安心です。Googleは同じ箇所で、外部の書き手による記事を載せること自体は違反ではないと明記しています。違反になるのは、そのメディアが積み上げてきた評価を借りることが主な目的になっている場合だけです。取材を受けて記事になる、寄稿する、といった通常の広報活動まで問題になるわけではありません。
逆SEOのペナルティ。頼んだ側に、どう返ってくるか
「業者がやることだから、うちのサイトには関係ない」と考えたくなるところですが、そうとも言い切れない理由が3つあります。
ひとつめ。Googleは違反への措置をこう書いています。
Google のポリシーに違反しているサイトは、検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります。
自動システムだけでなく、場合によっては人の手による対策も行われるとあります。施策に使われたサイトが評価を落とすということです。
ふたつめが、さきほどの「サイトの評判の不正使用」です。このポリシーで不利益を受けるのは、記事を出した側ではなくホストしたメディアのほうです。自社で運営しているメディアや、付き合いのある媒体をこの目的で使えば、そのメディアの検索での立ち位置を削ることになります。長く育ててきた自社サイトを、目先の順位のために差し出す形になりかねません。
みっつめ。これはあまり語られませんが、通報の窓口が公式に用意されています。
Google のスパムに関するポリシーに違反していると思われるサイトがある場合は、検索品質に関するユーザー レポートを提出してお知らせください。
つまり、順位を下げられた側は、Googleに直接報告する手段を持っています。相手がすでに自社に対して強い感情を持っている状況で施策を打つわけですから、この導線が使われる可能性は現実的に考えておいたほうがよいと思います。
ひとつ補足しておきます。ここまでの話は、Googleのサービス上でどう扱われるかという話であって、法律に違反するかどうかとは別のことです。スパムポリシーは法律ではありません。 法的な責任を問いたい段階であれば、それは弁護士に相談する話になります。
逆SEOの費用相場は1キーワード月5万〜30万円。風評被害対策全体では100倍以上の差
費用の話に移ります。ここも調べにくいところなので、公開されている料金ページと、事業者が配布している料金資料を実際に見て回りました。

2026年8月時点で確認できた価格は、月5,800円から月75万円まで開いていました。下限は公開されている料金ページ、上限は事業者が配布している料金資料で確認した金額です。1日あたりの単価で計算する成果報酬型もあります。逆SEO単体の提示に絞ると、2026年7月の調査では1つのキーワードあたり月5万〜30万円、最低6か月という形が中心でした。
風評被害対策という同じ名前の中に100倍以上、逆SEO単体に絞っても6倍の差があるということは、「逆SEO」という名前は中身を何も説明していないということです。見積書を受け取ったら、金額の前に作業の中身を聞くほうが早く判断できます。会社ごとの比べ方は、風評被害対策会社の選び方に7つの質問としてまとめました。
「消えなければ無料」という成果報酬型も複数あります。その場合は、何をもって消えたと判定するのか、判定を誰がいつ行うのかが契約の中心になります。ここが曖昧なまま始まる契約は、あとから確かめようがありません。
もうひとつ、契約の形として知っておきたいことがあります。順位を動かす施策は、上げたページを維持し続けることで成り立ちます。だから最低契約期間が設けられ、やめると元に戻り得る構造になっています。支払いが止まったときに何が残るのかは、契約前に確かめておくと後で困りません。
順位を下げる代わりに、できること
弊社の風評被害対策は、順位を下げる施策を商品にしていません。ただ、それで話を終わりにするつもりもありません。困っている状況そのものは変わらないからです。
考え方を入れ替えます。不利なページを下から押すのではなく、検索した人が求めている答えを、自社が正面から出す。 検索結果は「その語で調べた人にとって役に立つ順」に並びます。だとすれば、いちばん確実に上げられるのは自社のページです。
具体的には、次のようなことをします。
- その語で検索している人が、実際に何を知りたがっているかを調べる
- 不利な記事が扱っている論点について、事実と経緯を自社の公式ページに置く
- すでに解決したことなら、いつ何があり、その後どう対応したかを時系列で残す
- 会社概要・沿革・実績など、指名で調べられたときに答えになるページを整える
- 口コミや評価サイトが元になっているなら、そちらの運用も一緒に整える(Googleの口コミは削除できる?削除依頼が通る基準と手順で条件を整理しています)
- AIの回答にも同じ情報が使われるので、機械にも読める形にしておく(AIO対策とは何か)
全部やる必要はありません。まず2番だけでも効きます。地味に見えますが、Googleのポリシーに正面からかなう方法で、しかも作ったページは自社に残ります。
時間はかかります。数週間で順位が入れ替わるようなものではないので、そこは正直にお伝えしておきます。予測変換のほうが気になっている場合は、サジェスト汚染とは?会社名に出る原因と対策、削除できる条件に、報告で消える言葉と消えない言葉の線引きを書きました。
逆SEOを受けている側かもしれないとき
順位が急に落ちて、誰かに仕掛けられたのではないかと考える場合もあると思います。落ち着かない状況だと思いますが、確認の順番があります。
いきなり攻撃を疑う前に、まずGoogle側の検索の仕組みの更新や、自社サイト側の変更(サーバーの不調、URLの変更、設定の事故)を確かめます。実際には、こちらが原因であることのほうが多いためです。
そのうえで、外部のサイトから自社への不自然なリンクが急に増えていないか、自社のページが無断で複製されていないかを見ます。ここで慌てて対処しないほうがよい理由があります。Googleは「第三者サイトでの行為がウェブサイトに悪影響を及ぼすことがないよう、できる限りの取り組みを行っています」と書いており、リンクを無効にする否認ツールについても「ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません」と説明しています。まず記録を残して様子を見るほうが、結果的に安全です。
そして、こちらにも先ほどの通報窓口があります。明らかにポリシーに反する行為を受けていると判断できるなら、検索品質に関するユーザー レポートから報告できます。
逆SEOについてよくある質問
逆SEOは違法ですか
スパムポリシーに触れる可能性があるかどうかと、法律に違反するかどうかは別のことです。Googleのポリシーは法律とは別のもので、違反した場合に起きるのは検索での順位低下や非表示です。名誉毀損や業務妨害にあたるかどうかは弁護士の判断になります。
逆SEOのペナルティとは、具体的に何が起きますか
Googleは、ポリシーに違反しているサイトについて、掲載順位が下がったり、まったく表示されなくなったりすることがあると書いています。自動システムでの検出に加えて、場合によっては人の手による対策も行われるとされています。対象になるのは施策に使われたサイトです。
逆SEO対策は自分でできますか
順位を下げる施策を自力でやることはおすすめしません。この記事に書いたリスクがそのまま自社に返ってきます。一方で、自社のページを整えて上げていく作業は自力でも進められます。まず1ページ作るところからで構いません。
相場はいくらですか
2026年8月に公開されている料金と、事業者が配布している料金資料を確認したところ、風評被害対策全体で月5,800円から月75万円まで開いていました。逆SEO単体は1つのキーワードあたり月5万〜30万円、最低6か月という提示が中心です。幅が広いので、金額より作業内容で比べたほうが判断できます。
業者から「Googleに違反しない方法です」と説明されました
何をするのかを具体的に聞いて、この記事の条文と照らしてみてください。上げたいページをどこに何ページ作るのか、リンクをどう用意するのか、メディアに出すならどういう形か。この3つが分かれば、だいたい判断できます。答えが出てこない場合は、その一点をもって保留にしてよいと思います。
不利な記事そのものを削除してもらうことはできますか
記事を出している媒体の訂正・削除の手続きに沿って依頼することになります。事実と違う点があるなら、その箇所を具体的に示すことが前提です。事実である場合は、削除を求めるより、その後どうしたかを自社から示すほうが現実に合います。
順番を決めるところから
不利な記事を下げたいという気持ちと、下げる施策を買うかどうかは、切り離して考えられます。
まず何が起きているかを見る。次に、その語で検索した人が知りたがっていることを、自社が答えている状態にする。そのうえで、それでも足りない部分があれば、そのときに手段を検討する。この順番なら、途中で止めても自社に何かが残ります。
急いでいるときほど、残らないものを買ってしまいがちです。半年後に何が手元にあるかを基準にすると、判断しやすくなると思います。
参考にした公式情報
- Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(Google 検索セントラル・2026年8月17日確認。措置の内容と、検索品質に関するユーザー レポートの案内も同じページにあります)
- サイトへのリンクを否認する(Google 検索セントラル ヘルプ・2026年8月17日確認)
