AI検索の効果測定のやり方|記録する4つと、まだ測れないもの

AI検索の対策を始めて数か月。報告書には、AIに引用されやすくなりました、と書いてあります。ただ、何を見てそう言っているのかが読み取れない。そういう場所で止まってしまう方は、めずらしくないと思います。

AI検索の効果測定には、まだ決まったやり方がありません。検索には順位という共通のものさしがありますが、AIの答えのほうは、同じ質問を投げても日によって内容が変わります。それでも、記録の取り方をそろえるところまでは、今日から自分の手で始められます。

この記事は、AI検索やLLMO(※)の対策が効いたのかどうかを、自分の手元で判断するための手順をまとめたものです。測るのではなく、1本の記事を書くときに手元で何を変えるかは、AI検索に引用される記事は何が違うのかにあります。何を成果と呼ぶのか。質問をどう固定するのか。記録用の表に、どんな列を作っておくのか。そして最後に、いまの道具では測れないものを正直に並べます。

※LLMO:AIが答えを組み立てるとき、自社の情報を取り違えずに使ってもらうための工夫をまとめた呼び方です。

弊社自身も、7月30日に自社の状態を確かめ、8月2日に直し、8月26日に測り直しました。その往復で分かったことも途中に挟みます。うまくいった話としてではなく、条件を揃えきれなかった記録として書きます。

AI検索の仕組みそのものはLLMOとは?に、実際に何をするかはLLMO対策のやり方を7ステップで解説に書きました。AIO対策という呼び方で提案を受けている場合も、測るものは変わりません。この記事が扱うのは、そのあとの確かめる工程だけです。

目次

「効いた」と呼べるものは、4つに分かれます

AI検索やLLMOの効果測定でいちばん多い行き違いは、成果という言葉が指すものが、話し手と聞き手で違っていることです。整理してみると、次のものはそれぞれ別物です。

記録するもの どこを見れば分かるか
社名やサービス名が答えの中に出てくるか AIのサービスに直接たずねて、画面を読む
答えの中に、自社のページへのリンクが並ぶか 同じ画面の、引用や参照として並ぶリンク
そこから自社サイトに人が来たか アクセス解析のチャネル(※)の内訳
資料請求や相談まで進んだか 問い合わせの通知と、フォームの「きっかけ」欄

※チャネル:アクセス解析で、訪問者がどこを通って来たかを分類したもの。検索、広告、SNSなどに分かれます。

表のいちばん下にある「きっかけ」欄は、問い合わせフォームに選択肢を1つ足すだけで作れます。文面の例はLLMO対策のやり方を7ステップで解説にあります。

4つは、上から順に落ちていきます。名前が出ても、リンクが付かなければ訪問は生まれません。

ここを分けておくと、次の一手が変わります。いちばん上で止まっているなら、そもそも自社の情報がAIに拾われていません。上の2つが取れていて訪問が薄いなら、答えの中での紹介のされ方や、リンク先のページを見直すことになります。訪問はあるのに相談がゼロなら、見るところはAI検索から離れます。着地したページのほうの話になります。

支援会社から報告を受けている方は、4つのどれの話をしているのかを一度聞いてみてください。答えの中に名前が出た、という報告だけでは、事業に効いたかどうかまでは分かりません。

質問を先に10個決めて、同じ順番で聞きます

測り方の骨は、質問を固定することに尽きます。毎回ちがう聞き方をすると、変わったのがAIの側なのか自社の側なのか、分からなくなります。

弊社が自社で使っているのは10問です。数はもっと少なくても構いませんが、次の3種類が混ざるようにします。

  1. 社名でたずねるもの。 その会社はどんな会社か、どこにあるか。実体を正しく認識できているかが出ます
  2. サービス名や困りごとでたずねるもの。 検討中のお客様が実際に打ちそうな聞き方です。ここで名前が出るかどうかが、事業に近い指標になります
  3. 依頼先の選び方をたずねるもの。 比べられる場面で、自社がどの位置に置かれるかが見えます

そのうえで、質問の文そのもの、聞く順番、使うサービス、答えさせ方の設定は、毎回そろえたまま動かしません。ChatGPTのように、考える深さを選べるサービスでは、この設定が変わるだけで答えの丁寧さが変わります。

記録は同じ日にまとめて取ります。頻度は月に1回で足ります。週に1回では、AIの答えのゆれと、こちらの変化の区別がつきません。

1回の画面を見て判断しないことも、あわせて決めておきます。同じ質問を同じ日に何度か投げれば、答えの幅そのものが見えるはずです。弊社もここはまだ試していないので、9月の記録で幅を出してから、あらためて書きます。

ログインしたまま聞くと、出ていないものが出ます

ここだけは、順番を飛ばしてでも先に読んでいただきたいところです。

自分のアカウントにログインした状態でAIに質問すると、実際には見つけられていないのに、自社の名前が答えに現れることがあります。過去のやり取りや、そのアカウントに紐づいた情報が効いてしまうためです。

弊社は2026年8月6日に、これを確かめました。Geminiに、日本市場向けの支援会社をたずねる質問を投げたところ、回答の後半に弊社の名前が入っていました。20分ほどあとに、同じ質問文を、同じモデルへ、履歴を参照しない状態で投げ直しました。弊社の名前は消え、それどころか、並んでいた他社の顔ぶれまで入れ替わりました。

つまり、名前が出たという記録を、ログイン状態のまま取ってしまうと、成果が実際より良く見えます。

見分け方は、引用リンクの有無です。 他社の社名にはそれぞれ出典のリンクが付いているのに、自社の名前にだけ付いていない。この形が出たら、まず疑ってください。もうひとつの手がかりは、文の形です。あなたの会社ならこう動けます、という言い方になっていたら、AIはこちらを候補の1社として挙げたわけではありません。質問した側として扱っています。

履歴を参照しない状態で開く

サービスごとに、履歴を残さないで会話する機能が用意されています。

  • ChatGPT:一時チャット(履歴に残さずに聞ける機能)に切り替えます
  • Gemini:サイドバーから一時チャットを選び、画面の表示が切り替わったことを確かめてから送信します。ページを移動すると設定が外れるので、質問ごとに確認が要ります
  • Perplexity:シークレットの表示が出ている状態にします

見当たらないときは、ログアウトした状態で開きます。それも手間なら、自分のアカウントが入っていない端末を1台決めておくと、毎月そこで測れます。

なお、これは自社を測るときの話です。お客様に提案する立場の方も、自分のアカウントで確かめた画面をそのまま根拠として出すと、事実と違うものを渡すことになります。

弊社が実際にたどった、確かめ直しの24日間

7月30日。 自社について10問を用意し、ChatGPTの答えを1つずつ保存しました。前半は、情報が確認できないという趣旨の答えが並びます。ところが8問目で、身に覚えのないサービス内容と実績と、担当者の構成まで書かれた回答が返ってきました。社名の読みが同じ、まったく別の会社のものでした。どこから直せばいいのかは、そのときは見当がつきませんでした。

8月2日。 自社サイトの中の6か所に手を入れました。会社概要と代表者の情報を結びつける、サービスページに提供元を書き足す、といった作業です。新しいページは1枚も作っていませんし、広告も出していません。6か所それぞれの中身と、自分でできる範囲かどうかは、AIの誤情報で自社が別の会社と説明されていたらにまとめてあります。

8月26日。 24日後に、7月30日と同じ質問を、同じサービスの一時チャットで投げ直しました。その日の答えに、別の会社の話は入っていませんでした。料金の考え方も、実際に書いてあるとおりに説明されていました。

ここまでなら、直ったと書きたくなります。書けません。

まず、答えさせ方の設定が揃っていませんでした。7月30日と8月26日で、考える深さの指定が違っていました。時間をかけて考えさせる設定のほうが、名前の近い会社の区別も丁寧になります。サイトを直したせいなのか、設定の差なのか。2回の観測だけでは、どちらとも決められませんでした。測り方の側の不備です。

そしてどちらも、1回きりの観測です。前の章に書いたとおり、同じ質問でも答えは揺れます。1回対1回の比較から因果を取り出すことはできません。

言えるのは、直す打ち手とAIの答えの間に、届く経路そのものはあった、というところまでです。8月26日の答えは自社の公式サイトを参照先として示していました。読みに来ている以上、そこに書いてあることを変える意味はあります。ただ、変えたら答えがどう変わるかは、これから測るところです。

記録に必要な列は、8つです

記録は、専用のツールがなくても始められます。表計算のシートに列を作り、月に1回、行を足していく形で十分です。

AI検索の効果を記録するときの列の見本。1行が1つの列名で、右側に「あとから書けるか」をはい・いいえで示している。質問の文、聞いた日、使ったサービスなど後から書けない項目は、赤い枠で区別されている
図1 記録に残す列と、あとから書き足せない列(弊社作成・2026年9月4日)

この8列のうち、あとから足せないものが3つあります。答えさせ方の設定、履歴を参照しない状態だったかどうか、そして引用リンクの有無です。この3つが空欄の記録は、次に測ったときの比較相手になりません。

答えの本文は、画面の写真だけで済ませず、文字でも残してください。

説明が正しかったかどうかの欄は、正誤の二択にしないほうが使えます。どこがどう違うのかを一言で書いておくと、直す場所がそのまま決まります。

いまの道具では、測れないものがあります

ここを飛ばして測り方だけを渡すと、あとで数字の読み違いが起きます。AI検索の引用の確認方法にも、いまのところ限界があります。2026年9月4日時点で分かっている範囲で、測れないものを並べます。

※AIによる概要=Googleで検索したとき、結果の上のほうに出てくるAIの短い回答のこと。AIモード=検索画面の中でAIと対話しながら調べる機能で、別のタブとして用意されています。

AIの答えの中の順位は、ありません。 GoogleのAIによる概要の場合、Search Consoleのヘルプには、AIによる概要に付与される掲載順位は検索結果内で1つのみで、その中のすべてのリンクに同じ掲載順位が割り当てられる、と書かれています。何番目に紹介されたかを、順位として取り出す方法は用意されていません。

アクセス解析では、AIによる概要から来た訪問を切り出せません。 Googleアナリティクスのデフォルトのチャネルグループには、2026年9月4日時点でAIアシスタントというチャネルがあります。ヘルプの説明では、ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grokなどからの訪問がここに入り、GoogleのAIによる概要とAIモードは除外されます。除かれた分は、オーガニック検索の説明のほうに、AIによる概要とAIモードも含まれる、と明記されています。

つまり、ChatGPTなどのサービスから来た訪問は分けて数えられますが、Googleの検索画面の中に出るAIの回答から来た訪問は、通常の検索からの訪問と混ざったまま届きます。アクセス解析の側では、分けたいと思っても分けられません。ただし検索する側の数字は別で、2026年8月31日から、すべてのサイトでAIによる概要とAIモードの表示回数だけを取り出して見られるようになりました。分かるのは表示された回数までで、クリック数は入っていません。表示回数が少ないサイトでは、まだ数字が出ないこともあります。

AIの答えの中で社名が何回出たかは、分かりません。 さきほどの表示回数は、自社のページがリンクとして示された数であって、答えの文章に社名が書かれた回数ではありません。社名の出方は、自分が投げた質問の回答からしか見えません。世の中で実際に何回聞かれ、そのうち何回出たのかを知る方法はありません。競合他社との比較も、同じ理由で成立しません。

ChatGPTなどの側では、どの記事が引用されたのかを網羅的に取れません。 自分が投げた質問の答えに出てきた分だけが分かります。Googleの検索画面に出るAIの回答であれば、さきほどの表示回数をページごとに見られるので、どのページが示されたかまでは追えます。

こう並べると、測る意味がないように見えるかもしれません。そうではありません。手元で確かめられるのは、自社が決めた質問に対する見え方と、Googleの側で数えられた表示回数です。その範囲に限れば、記録は積み上がります。範囲を勘違いしたまま数字を扱うと、効いていないものを効いたと読んでしまう。それが避けたいことです。

弊社がAI検索の効果測定でしていること

弊社は、AIの回答に載ることを先に約束する形の提案はしていません。最初にするのは、お客様の事業でお客様が実際に打ちそうな質問を一緒に決め、いまの答えを日付つきで記録するところまでです。ここまでで、直すべき場所はだいたい見えてきます。

記録の型は、この記事に書いたものと同じです。自社サイトで使っているシートを、そのままお渡しすることもできます。技術的な確認と修正だけを弊社が受け持ち、月1回の記録は社内に残す、という分け方をされているお客様もいます。

弊社自身の記録も、条件が揃わなかった回を含めてそのまま残しています。AI検索とLLMO対策の支援内容に、お引き受けできる範囲をまとめました。いまの状態を確かめるだけのご相談も承ります。

同じ記録の型を、AIの利用枠にも使っています。CodexとClaude Codeの週間制限を残量%で節約せず、次の定期回復までに必ず要る量から逆算する運用と、臨時リセットを12週数えた実測はCodex・Claude Codeの利用制限、残量%で節約していませんか|臨時リセット12週の実測と判断式に書きました。

AI検索の効果測定についてよくある質問

担当は誰がやるのがいいですか

毎月おなじ人が続けられることが、いちばん効きます。担当が替わると設定や履歴の扱いが少しずつずれて、前の月との差が読めなくなるためです。向いているのは、会社概要やサービスページを普段から更新している方です。専門の知識より、決めた手順どおりに毎月おなじことをする根気のほうが要ります。引き継ぐときは、シートと一緒に質問文と設定の指定も渡してください。

有料の計測ツールは必要ですか

最初は要りません。表計算のシートと、履歴を参照しない状態で開いたAIの画面があれば始められます。ツールが役に立つのは、質問の数が数十件を超えて手作業が回らなくなってからです。検討する段階になったら、そのツールがどの範囲を測っているのか、AI検索のKPIとして何を数えているのかを確かめてください。この記事の最後に挙げた測れないものは、ツールを入れても測れないままです。

ChatGPT、Gemini、Perplexity、全部を測るべきですか

まずは1つに絞って構いません。お客様がいちばん使っていそうなものを選び、記録を半年続けるほうが役に立ちます。複数を並べると、手間が増えたところで続かなくなり、比べる相手のない記録だけが残ります。

支援会社の報告書に順位が書いてあったら、どう受け取ればいいですか

まず、何の順位なのかを聞いてください。検索結果の順位なら、これまでどおりの意味です。AIの答えの中で何番目に紹介されたか、という意味で使われている場合は、その数字の出どころを確かめてください。少なくともGoogleの検索画面に出るAIの回答については、そこに並ぶリンクすべてに同じ順位が割り当てられると公式に説明されています。独自の集計から出た数字なら、どう数えたのかを聞いてから受け取ってください。

社名で聞くと出るのに、サービス名で聞くと出てきません

よくある形で、順番としては自然です。社名はその文字列から探せますが、困りごとでたずねられて候補に挙がるかどうかは、その分野で自社の情報がどれだけ見つかるかによります。この場合の次の一手は、サイトの技術的な設定ではなく、その困りごとへの自社の答えが外から読める形で置かれているかの確認になります。

どのくらいの期間で変わりますか

期間はお約束できません。弊社の場合は、直してから24日後の観測で取り違えが再現しませんでしたが、それが修正のおかげかどうかは切り分けられていません。AIの側の仕組みも更新され続けています。何か月で変わるという説明を受けたら、その根拠として何を測ったのかを聞いてみてください。

まとめ:まず1か月分だけ、記録を取ってみる

AI検索の効果測定は、まだ誰にとっても手探りです。それでも、やれることははっきりしています。

まず1つだけ手を動かすとしたら、質問を3つ書き出し、履歴を参照しない状態で開いたAIに投げて、答えを日付つきで保存してください。それだけで、来月に比べる相手ができます。比べる相手が手元にあるかどうかが、効いたかどうかを自分で判断できるかどうかの分かれ目になります。

そのうえで、名前が出た、出典に載った、訪問があった、相談が来た。ここは混ぜずに数えてください。あとは、ログインしたまま測らないこと。測れないものを測れると言わないこと。これだけ守れていれば、記録は十分に使えるものになります。

支援会社から報告を受けている段階の方も、同じ質問を1つ、自分の手元で投げてみてください。

参考にした公式情報

各サービスの仕様は変わります。数字を扱う前に、確認日を添えて原文をご確認ください。

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この記事を書いた人

SEOを専門に8年以上、上場企業を含む全国のクライアントのWebマーケティングを支援。オンライン受発注サイトでは、454件すべてが「満足」評価(「残念」0件、2026年8月確認)。SEO・LLMO/AIO対策、ホームページ制作を通じて、中小企業のWeb集客と問い合わせ獲得を支援しています。

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