「相互リンクしませんか」というメールが届いたら|応じる前に確かめること

問い合わせフォームや代表アドレスに、「貴社のサイトと内容が近いので、相互リンクをお願いできませんか」という連絡が届くことがあります。文面はたいてい丁寧で、断る理由もその場では見当たりません。それでも、応じてよいのかどうかは、届いた文面だけでは決められません。
放っておくと失礼になるのだろうか。かといって応じたら、自社のサイトに何か起きるのだろうか。どちらにも決め手がないまま、受信トレイに残り続けているという方も多いと思います。
先に結論を書くと、心当たりのない相手からの依頼であれば、返事をしなくて差し支えありません。ただし、中身はさまざまです。放っておいてよいものと、条件を聞いてから決めたほうがよいものが混ざっています。分ける材料は、相手のサイトのほうにあります。
この記事では、届くメールが求めているものを3つに分けたうえで、返信の前に相手のサイトのどこを開くか、Googleの文書がどこから先を違反と書いているか、返事をするかしないかをどう決めるかまでをまとめます。同じ売り込みでも、電話がかかってきた場合はその場で判断することになるので、対応が変わります。そちらはSEO対策の営業電話がかかってきたらに分けて書きました。
弊社もSEO対策を請け負う側ですが、同じメールを受け取っています。それでも交換で増やさないと決めていて、その理由は途中で書きます。
届くメールは、交換・掲載・販売のどれかです
書き出しはさまざまですが、相手が求めているものは3つに分かれます。
| メールに書かれていること | 相手が求めているもの |
|---|---|
| 貴社サイトと内容の親和性が高く、相互リンクをお願いしたく | お互いのサイトにリンクを置き合うこと |
| 貴社のサービスを無料でご紹介させていただきたく | 紹介する代わりに、自社サイトへのリンクを置いてもらうこと |
| 被リンクを本数と価格で示してくるもの | リンクそのものを商品として買ってもらうこと |
※表の左側は、実際に届いた依頼に共通する型をまとめたもので、特定の1通を引用したものではありません。
※被リンク:よそのサイトに置かれた、自社サイトへのリンクのこと。
上の2つは、内容によっては応じてよいものが混ざっています。3つ目は金銭のやり取りが前提なので、あとで触れるGoogleの記載に正面から当たります。
もうひとつ知っておくと楽になることがあります。同じような文面が、別々の会社から届くことです。クラウドソーシングの募集を眺めていると、被リンクを集めるための問い合わせ営業そのものが、仕事として発注されています。書いて送っているのは依頼を受けた人で、送り先の一覧も渡されていることがあります。宛名と社名だけを差し替えた文面が、業種の違う会社に同じ週に届くのは、そのためです。
文面に「貴社のサイトを拝見し」とあっても、本当に読んだうえで送っているかどうかは、こちらからは分かりません。そこは判断の材料になりません。
返信の前に、相手のサイトを開いてみる
メールの文面はどれも丁寧です。そこで、相手のサイトを開きます。見ておきたいのは次の3か所です。
- 自社の話題を扱っているサイトか。 リンクを置き合ったとして、そのサイトの読者が自社のページを開く場面が想像できるかどうかです
- 自社が載るのは、どのページか。 相手が「ここに載せます」と言っているページを実際に開きます
- お金の話が出てくるか。 掲載料、成果報酬、本数あたりの単価。金額が出てきたら、そこからは広告の話として扱います
見る順番を決めておくと早く終わります。最初に開くのは、自社が載るページです。ここで相手の目的がだいたい見えるので、残りの2つに進むのは、それでも判断が付かなかったときだけになります。
どこに載るかが書かれていない場合は、それ自体が答えになります。載せる先を言えない相手に、返事は要りません。
リンクだけが並んだページかどうか
開いた先が、会社名とURLだけがずらりと並んだページだった場合。そこに自社が加わっても、読む人はほとんど通りません。相互リンク用に用意されたページであれば、なおさらです。
一方、比較の記事や特集の中で自社が紹介されるのであれば、その記事を読んだ人がリンクを踏む場面があります。同じ1本のリンクでも、置かれる場所で意味が変わります。次の章で見るGoogleの記載も、ちょうどこの違いのところに線を引いています。
Googleの文書は、どこから先を違反と書いているか
Googleは「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」という文書を公開していて、その中に「リンクスパム」という項目があります。冒頭でこう定義されています。
リンクスパムとは、検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作成する行為です。
例として並んでいる中に、相互リンクの依頼にそのまま関わる1行があります。
過剰な相互リンク(「リンクする代わりにリンクしてもらう」)や、相互リンクのみを目的としてパートナー ページを作成する
ここは正確に読んでおくと安心できます。リンクを置き合う行為そのものを禁止する、とは書かれていません。例として挙がっているのは2つの状態で、片方だけでも当てはまります。ひとつは、置き合いが過剰になっていること。もうひとつは、相互リンクのためだけのページを作ることです。先ほど、載る予定のページを開いてくださいと書いたのは、この2つ目が目で確かめられるからです。
リンクの売買については、もう少しはっきりしています。同じ項目には、順位を上げる目的でリンクを売り買いする行為も並んでいます。金銭のやり取りだけでなく、物品やサービスと引き換えにリンクを設定してもらう場合まで含めて書かれています。「無料でご紹介します」という申し出も、紹介と引き換えにリンクを求めているのであれば、この並びに近づきます。無料という言葉だけで安心はできません。
ただし、広告やスポンサーとしての掲載であることを、リンクを載せる側のサイトが決められた方法で示していれば、ポリシー違反にはならないとも同じ場所に書かれています。示し方は外部リンクの rel 属性(nofollow/ugc/sponsored)という別の文書にまとまっているので、有料の掲載に応じるのであれば、この表示だけは制作会社に頼んででも入れておくところです。
このポリシーには、順位を動かすための手口が他にも名前つきで並んでいます。逆SEOや風評対策を頼まれる場面での読み方は、逆SEOとは?手法と費用相場、頼んだ側に返ってくるリスクにまとめました。条文をひとつずつ確かめたい場合はそちらを見てください。この記事では、届いたメールへの対応に絞ります。
リンクが少ない会社は、交換で増やしてもいいのか
ここからは弊社の話です。
弊社のサイトは、外のサイトから紹介されているリンクがまだ少ない状態です。SEOを人に勧める立場で、これは弱いところです。だから相互リンクの依頼は、弊社にとっては増やせる話でもあります。
それでも交換していません。理由はいくつかありますが、どれも同じところに行き着きます。
- 増やす目的が順位なら、さきほどの記載にそのまま当たります。 記事でお客様に伝えている基準を、自社のサイトで外すわけにはいきません
- 交換で入ったリンクは、たいてい人が通りません。 順位のために置かれたリンクは、誰も見ないページにあることが多いからです。訪問が増えないなら、増えるのは見かけだけです
- 相手のサイトを、こちらで管理できません。 今は普通のサイトでも、運営者が変わることもあれば、リンク集ばかりのページになることもあります。常時見張る仕組みは持っていません
とはいえ、外から来る話をすべて断っているわけでもありません。以前、あるサービス紹介の媒体から、一覧に無料で載せる条件としてリンクをお願いされたことがあります。先ほど、無料の紹介と引き換えにリンクを求める形は線に近づくと書きました。このときも同じ問いを立てています。一覧の中身が弊社の読者にとって使えるものだったので、関連する記事の中に、紹介として自然に読める形で1本置きました。順位を目的にした置き方であれば、断っていました。
弊社が時間を使っているのは、紹介される理由をつくるほうです。記事を書く、事例を出す、取材を受ける。遠回りに見えますが、こうして入ったリンクは、あとから外れません。弊社のサイトの現在地はSEO支援のページで毎月そのまま出しています。
返事をしない相手と、1通返しておく相手
放っておくのは失礼だろうか、というところが引っかかると思います。心当たりのない相手からの一斉送信であれば、そこで終わりです。送っている側も、1件ずつ返信が来る前提では動いていません。
そのうえで、届いたものは3つに分けられます。
- 返事をしない。 宛名が会社名だけで、文面に自社サイトの具体的な話が出てこないもの。送信元が無料のアドレスのものも、ここに入ります
- 短く断る。 取引先や知り合いをたどって届いたもの、今後も顔を合わせる相手からのもの。1通返しておくほうが、後が楽です
- 話を聞く。 業界の媒体や団体の一覧など、リンクより掲載そのものに意味がある場合。掲載の条件、費用、いつまで載るのかを聞いてから決めます
断り方は、短くて構いません。理由を細かく説明すると、そこから話が続いてしまいます。
ご連絡ありがとうございます。相互リンクにつきましては、現在お受けしておりません。ご期待に沿えず恐縮ですが、何卒ご了承ください。
社内で決めておくとよいのは、文面よりも、誰が決めるかのほうです。担当者が毎回上に確認していると、返事をしないという判断まで重たくなります。この種の連絡は担当者の判断で処理してよい、と一度決めておくだけで済みます。
相互リンクの依頼メールについてよくある質問
返事をしないまま放っておいて、問題はありませんか
心当たりのない相手であれば問題ありません。そもそも取引が始まっていないので、応じる義務もありません。同じ相手から何度も届く場合は、迷惑メールの振り分けに入れてしまえば、それで済みます。ただし、取引先や紹介をたどって届いたものだけは、短くても1通返しておくと後で困りません。
知らない会社から、すでに自社サイトへリンクが張られていました。何かしたほうがいいですか
多くの場合、何もしなくて大丈夫です。Googleは自社のヘルプで、リンクの扱いについて「ほとんどの場合、Google は詳しい情報を提供されなくても、どのリンクが信頼できるものかを評価することができます」と書いています。同じページに、そのリンクを否認するための道具は、ほとんどのサイトでは使う必要がない、とも書かれています。気になる場合は、そのリンクから実際に人が来ているかを見てから考えてください。
掲載料を払って記事に載せてもらうのは、違反になりますか
広告であることを示す形にしていれば、違反にはならないとGoogleの文書に書かれています。示し方はリンクの書き方で決まっているので、掲載してもらう側から「広告のリンクとして設定してください」と伝えれば、制作を担当する方には通じます。逆に、広告として費用を払っているのに普通のリンクのまま置くと、リンクの売買の記載に当たります。分かれ目は、払うかどうかよりも、払ったことを隠さないかどうかです。
付き合いのある会社から相互リンクを頼まれました。断ると角が立ちませんか
お互いのお客様が行き来する関係であれば、リンクを置くこと自体は自然な話です。気にするのは置き場所だけです。リンクだけを並べたページを新しく作らず、相手を紹介している文章の中に置いてください。会社案内や、取引先を紹介するページなど、もともと人が読む場所があるなら、そこが向いています。
過去に相互リンクをたくさんしてしまいました。今から外したほうがいいですか
一度に全部を外す前に、確かめられることがあります。そのページに人が来ているかを見てください。誰も来ていないリンク集であれば、残しておく理由もないので、ページを整理するときに一緒に片付ければ十分です。順位が急に下がったなど、はっきりした心当たりがある場合だけ、外の目を入れる判断になります。頼む先の比べ方はSEO会社はどう選ぶ?に書いています。
外からのリンクを増やしたい場合、どこから手を付けますか
購入する以外の入口は、思っているより身近にあります。取引先の実績紹介、業界団体や商工会議所の会員一覧、地域の企業紹介、取材の受け入れ、自社で調べた数字の公開。どれも時間はかかりますが、あとから外れません。すぐに増える方法ほど、増えたあとに自分で管理できなくなります。
まとめ:返信を書く前に、相手のサイトを1ページだけ開く
「相互リンクしませんか」というメールについて、今日決めておけることは1つです。返信を書く前に、自社が載る予定のページを開いてみてください。リンクだけが並んでいたなら、そこで判断は付きます。読まれている記事の中に置いてもらえるのなら、話を聞く価値があります。
この見方は、Googleの文書の線の引き方とも重なります。線が引かれているのは、置き合うという行為そのものではありません。Googleが例に挙げているのは、順位のためだけに置かれた状態です。だから、判断は自分のサイトの側でできます。
外からのリンクが少ない弊社も、同じ基準で見ています。増やす必要があることと、買って増やすことは、別の話として置いています。届いたメールに困っている段階でも、自社のリンクの状態がどうなっているかから一緒に確かめられます。
参考にした公式情報
- Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」(2026年9月4日確認)
- Google 検索セントラル「外部リンクの rel 属性(nofollow/ugc/sponsored)」(2026年9月4日確認)
- Search Console ヘルプ「サイトへのリンクを否認する」(2026年9月4日確認)
