ホームページの原稿が書けない・写真がない|社内から集める進め方

制作会社との打ち合わせが終わって、最後に言われる一言があります。「では、文章と写真をご用意ください」。ここで止まっている会社は、めずらしくありません。フォルダを開いても、入っているのは去年の集合写真と、何年か前に作った紙のパンフレットのデータだけ。何から手を付ければいいのか分からないまま、月が変わっていきます。

止まっている間、制作会社からの連絡は少しずつ減ります。こちらが遅らせているという自覚があるぶん、催促されないほうがかえって気まずい。連絡しづらくなって、また時間が過ぎます。

この記事は、その状態から抜けるための順番をまとめたものです。ページごとに要るものを並べる、原稿は社内から集める、写真は手元にあるものから始める。この3つで、たいていは動き出します。そのうえで、そろわないまま公開すると何が残るのかと、どこから人に頼めるのかまで書きました。

なお、お客様の事例を作る場合の依頼から取材までは導入事例の作り方です。ここで書くのは、その手前にある材料集めだけです。

目次

止まっているのは、何を書くかが決まっていないからです

忙しくて手が付けられない。そう聞くことが多いのですが、伺ってみると、書く作業そのものは、思っているほど時間を食いません。止まる原因は時間ではなく、何を書けばいいのかが決まっていないことのほうです。

白い画面を開いて「会社紹介」と打ってみる。何行あれば足りるのか分からない。誰が読むのかも決めていない。それでも書き始めると、「弊社はお客様第一の姿勢で」から始まる文章になり、自分で読み返してつまらないので、保存して閉じる。この往復を何度かして、そのままになります。つまり、決まっていないものは書けない、というだけの話です。

もう1つ、原稿と写真は担当者があいまいになりがちです。見積書には、設計、デザイン、組み込み、公開作業と並んでいても、原稿と写真の欄だけ「お客様支給」と書かれていることがあります。制作会社にとっては見積もりの外側、依頼した側にとっては専門外。どちらの仕事でもない状態になると、進む理由がなくなります。

先に決めるのは、どのページに何がいくつ要るかです

どのページに、どんな種類のものが、いくつ要るか。決めるのはそこまでで、中身は、決まったあとで集めます。

順番を逆にすると、いつまでも終わりません。何を書くかから考えると、書いても書いても足りない気がしてくるからです。要るものの一覧が先にあれば、埋まっていない箱が見えるので、そこだけ取りに行けます。

ページごとに、要るものは決まっています

「全部で何文字くらい必要ですか」と聞かれることがあります。ただ、文字数から決めると迷子になりがちです。ホームページ制作の素材(※)の準備は、ページ単位で数えたほうが早く終わります。

※素材:ホームページに載せる文章・写真・図・ロゴなど、ページの中身になるもののこと。制作会社は「素材」と呼びますが、要は文章と写真のことです。

最初に作る2ページ、トップページとサービスページに要る素材の一覧。それぞれ文章として何を書くか、写真として何を何枚用意するかを分けて並べた図
図1 最初に作る2ページに要るもの(弊社作成・2026年9月4日)

最初に手を付けるのは、トップページとサービスのページの2つです。この2つに要るものは、次のとおりです。

トップページ 文章=会社を一言で言うと何をする会社か(1文)/どんな人に向けているか/見てほしい3つの入口の名前/連絡先と対応地域 写真=いちばん上に置く1枚(人、現場、できあがったもののどれか)/ロゴの元データ

サービス・商品のページ(1つにつき1ページ) 文章=何をするか/どこまでやるか(含むもの・含まないもの)/進め方の順番/料金の考え方/よく聞かれる質問3つと答え 写真=作業中または使っている場面/できあがったもの/使う道具や機械。1ページにつき2枚から3枚

あとから足していける3ページ、会社概要、実績、採用に要る素材の一覧。それぞれ文章として何を書くか、写真として何を何枚用意するかを分けて並べた図
図2 あとから足していける3ページに要るもの(弊社作成・2026年9月4日)

会社概要は、登記の内容と名刺に書いてあることを写せばほとんど埋まります。実績と採用は、公開したあとに足していくもので、初回に無理をして作る必要はありません。残りの3ページに要るものは、上の図にまとめました。

原稿は、社内から集めます

ホームページの文章の作り方で効くのは、書くという作業を、集めるという作業に置き換えることです。会社のことを最初から考えて書ける人は、社内にもそういません。ただ、聞かれれば答えられる人なら、たいていいます。

誰に、何を聞くか

1人あたり15分で足ります。メモを取りながら聞いて、あとでつなぎます。

聞く相手 聞くこと
代表・創業者 この会社を始めた理由。これだけはやらないと決めていること
いちばん長くいる社員 実際の作業の順番。よその会社と違うと感じるところ
電話やメールを受けている人 お客様から毎回聞かれる質問。最初に確認されること
現場やお客様先に出ている人 お客様に驚かれること。断ることになる条件
経理・総務 会社の正式な表記、許認可や資格の番号、対応できる地域

5人のうち1人だけ選ぶなら、上から3行目の方です。お客様から毎回同じことを聞かれているなら、それはホームページに書いていないという意味なので、そのまま見出しになります。逆にいうと、電話を受けている人のメモは、そのままサービスページの下書きです。

話してもらったものを、そのまま文字にする

書いてくださいと頼むと出てきませんが、話してくださいと頼むと出てきます。手元の録音アプリで録って、文字起こしのできるツールに通せば、下書きの材料になります。聞き方、当日の進め方、録音を読める文章に直すところまではインタビュー記事の書き方にまとめてあるので、そちらを見ながら進めてください。

同業のサイトは、見出しだけ書き出す

参考にするなら、同じような会社のサイトを3つ開いて、並んでいる見出しだけを書き出します。文章そのものは写しません。他社が考えた言い回しは他社のものですし、寄せ集めた文章は、あとで自社の言葉に直すことになって二度手間になります。

合同会社壱工房様(石狩市。木造小屋とリフォームを、大工直営でやっている会社です)のホームページを弊社で作ったときも、文章と写真のもとになったのは、伺って聞いた話でした。材料は最初から先方の中にあって、弊社がしたのは、それを言葉にして並べ直すことです。実際のページは公開しています。

写真は、いま手元にあるものから始めます

制作の写真が用意できないというご相談は、原稿と同じくらい多いです。ただ、写真は原稿より状況がいいことが多くて、たいていの会社には、すでに使える写真が残っています。順番は決まっています。まず手元にあるものを集めて、足りないところを撮り直し、それでも足りないところだけ頼みます。

まず、社内に散らばっている写真を1か所に集めます

現場の記録写真、施工前後の確認用に撮ったもの、展示会や式典の写真、社内報に使った写真。多くは誰かのスマートフォンの中にあります。共有フォルダを1つ作って、そこに入れてもらうところから始めます。

明るいところで撮れていて、ピントが合っていて、横向きなら、たいてい使えます。縦向きの写真はパソコンで見たときに上下が切れるので、同じ場面の横向きがあればそちらを使います。古い写真でも、いまと様子が変わっていなければ問題ありません。

撮り直すなら、1日にまとめます

足りない分を撮り直すときは、日を分けないほうが早く終わります。外観、働いている場面、人、できあがったもの。この4種類を、同じ日にまとめて撮ります。服装をそろえておくと、あとで並べたときにばらつきません。

きれいに撮ることより、その日に撮り切ることのほうが大事です。いい写真を待っているあいだ、ページは白いままだからです。

社員の顔写真は、集めるときに一言かけます

顔が写っている写真は、あとから同意を取り直すのが大変です。共有フォルダに入れてもらうとき、社員が写っている写真だけは、本人へ一言かけてから入れてもらいます。載せる先がホームページであること、外したくなったら外せること。この2点をその場で伝えておくと、あとで差し替える手間がなくなります。取材や撮影の場で先に何を伝えるかは、インタビュー記事の書き方にまとめています。

この点について、個人情報保護委員会は、本人を判別できる写真の画像は個人情報にあたるとしたうえで、その利用目的を本人に知らせるか、公表することは必要だと説明しています。あわせて、肖像権などの侵害にあたる場合もあるとして、載せておく期間を区切ること、社外の人が見る形にするなら自主的に本人の同意を得ておくことを、望ましい取り組みとして挙げています。ホームページは、取引先も、社員のご家族も、これから応募する人も開ける場所です。

すでに辞めた人が写っている古い写真は、そのまま使わないほうが安全です。集合写真しかない場合は、人が大きく写っていないもの、後ろから撮っているものに差し替えます。顔を出したくないという人がいても、ページは埋まります。現場、道具、できあがったもの。人が写っていない写真でも、その会社らしさは伝わります。

その写真は、誰が撮ったものですか

前の制作会社が用意した写真や、以前カメラマンに撮ってもらった写真を、新しいサイトでそのまま使いたくなることがあります。ここは確認してから使ってください。

文化庁の著作権テキストには、作ることを他の人や会社に頼んだ場合、料金を払ったかどうかに関係なく、実際に作った側が著作者(※)になる、と書かれています。そのうえで、納品されたあとにそれを別の場所で使うには、あらかじめそのための契約を交わしておく必要がある、とも説明されています。写真も、この考え方の中に入ります。

※著作者:その写真や文章を実際に作った人のこと。作った時点で著作権を持ちます。誰がどう使ってよいかは、そのあとの契約で決まります。

実務としては、撮影を頼むときに「どこで使えるか」まで決めておくと、あとが楽になります。ホームページだけなのか、パンフレットやSNSでも使えるのか。この一言があるかどうかで、あとの動きやすさがかなり変わります。検索して出てきた画像を保存して使うのは、どの場合もやめてください。

そろわないまま公開すると、あとに何が残るか

全部そろうまで待つより、先に公開して直していくほうがいい場面はあります。ただ、何が残るのかは先に知っておくと迷いません。

いちばん残るのは、準備中のページです。「準備中」や「Coming Soon」と書かれたページを開いた人が、後日また来てくれることは、ほとんどありません。載せるものがないページは、作らずにメニューから外しておくほうが、まだましです。

次に残るのが、どの会社のサイトなのか分からない状態です。素材サイトの写真だけで作ったページは、きれいではあるのですが、読んだ人の中に何も残りません。ピントの甘い外観の写真1枚のほうが、その会社を見た感じは伝わります。

Googleは、自分のサイトを点検するための問いを公開しています。その中に、他のところを参考にした内容である場合、単なるコピーや書き換えではなく付加価値とオリジナリティを十分に示すものになっているか、という問いがあります。読み終えた人が、もっと良い情報を求めて検索し直すことになっていないか、という問いもあります。他社の言い回しを集めて作った文章は、この2つに引っかかります。

そして、よくあるのが「あとで直す」が来ないことです。公開したその日に、いつ直すかを決めてしまうのが確実です。3か月後の日付をカレンダーに入れておくだけでも、放置は避けられます。

頼むなら、ページ単位で切ります

「取材から全部お願いします」と言われることもありますが、本当に全部を渡すと、かえって時間がかかります。会社の正式な表記、許認可の番号、料金をどう考えているか、断っている仕事は何か。この種のことは社内にしかなく、結局は聞かせていただくことになるからです。

そこで、切る単位をページにします。トップページとサービスページだけ取材して作ってもらい、会社概要とお知らせは自社で書く。この形なら、社内にしかない情報は社内に残したまま、いちばん読まれる2ページを先に立ち上げられます。逆に会社概要から外に出すと、確認のやり取りが増えて、かえって進みません。

工程で切る形(写真だけ、整えるところだけ、といった分け方)はインタビュー記事の書き方に書いています。

これから見積もりを取る段階なら、文章と写真をどちらが用意するのかを、条件として先に伝えてください。同じ条件で各社に出してもらわないと、金額を並べても比べられません。伝え方は、見積もり依頼で伝える12項目にまとめてあります。

弊社が原稿と写真の用意でしていること

弊社は、ホームページの制作を、伺って聞くところから始めています。文章の材料も、ページに使う写真も、その訪問でまとめて取ります。別々の日に分けると、そのたびにお客様の時間をいただくことになるためです。

ホームページの制作をまとめて頼まなくても、原稿だけ、写真だけ、というご相談も受けています。どこまでを弊社で受け持ち、どこからを社内でやっていただくかは、詰まっている場所を伺ってから決めます。記事や取材の進め方は記事・コンテンツ制作、ホームページの制作はホームページ制作にまとめています。

ホームページの原稿と写真についてよくある質問

ホームページの原稿のテンプレートはありますか。穴埋めで作れると助かります

ページごとに要る項目をそろえるという意味でのテンプレートなら、この記事の一覧がそのまま使えます。ただ、文章そのものの穴埋め用のひな形は、あまりおすすめしていません。穴を埋めた文章は、どの会社でも同じ形になるので、読んだ人が御社を選ぶ理由になりません。項目だけ借りて、中身は社内で聞いた言葉から取るほうが、結果的に早く終わります。

1ページあたり、何文字くらい書けばいいですか

文字数の目安から決めると、かえって迷います。長さは、そのページを開いた人が知りたいことの数で決まります。サービスのページなら、何をするか、どこまでやるか、いくらくらいか、どう進むか。この4つに答えが書いてあれば、短くても足ります。足りない状態で長く書くより、短くても答えが入っているほうが読まれます。

原稿づくりにAIを使ってもいいですか

整える用途なら使えます。社内で聞いたメモを、読める文章に直すところは得意です。ただ、材料そのものを出させるのは、うまくいきません。御社の料金の考え方も、断っている仕事も、お客様に毎回聞かれることも、外からは分かりません。中身のない文章がきれいな形で出てくるので、かえって直しにくくなります。

写真は、スマートフォンで撮ったもので足りますか

足ります。いまのスマートフォンで撮った写真は、ホームページに載せるぶんには十分です。気をつけるのは、明るいところで撮ること、横向きで撮ること、そして撮ったあとに縮小しすぎないことの3つです。誰かに送ってもらうときは、送信時に画質を落とさない設定で送ってもらってください。

自社の写真がないので、素材サイトの写真だけで作ってもいいですか

全部をそれで埋めると、あとで作り直すことになります。会社概要の外観や、実際に働いている場面など、その会社でしか撮れない写真が1枚もないと、どこの会社のページか分からなくなります。イメージを補う目的で一部に使うのは問題ありませんし、使える範囲は各サイトの規約で決まっているので、そこは確認して使ってください。

制作会社に3か月連絡していません。今から何と言えばいいですか

事情を説明しなくて大丈夫です。「原稿と写真の準備で止まっていました。トップページとサービスページから先に進めたいので、この2ページに必要なものを教えてください」とだけ送れば足ります。制作会社の側も、止まっている案件は気になっているので、連絡が来ること自体は歓迎されます。全部そろってから連絡しよう、と考えている期間が、結果として長引きます。

まとめ:今日は、1人に15分だけ聞いてみる

ホームページの原稿が書けない、写真が用意できない。この状態から抜ける順番を見てきました。要るものをページごとに並べる、原稿は社内から集める、写真は手元にあるものから始める。この3つです。

まず動かすなら、社内の誰か1人に15分だけ話を聞くところからです。相手は、お客様からの電話を受けている人がいちばんいいと思います。毎回聞かれる質問を3つ挙げてもらうだけで、サービスページの見出しが3つ決まります。そこまで来れば、あとは同じことの繰り返しです。

止まっている場所さえ分かれば、そこだけ外に出すこともできます。ただ、御社の料金の考え方も、断っている仕事も、社内にしかありません。そこだけは、誰に頼んでも社内から出してもらうことになります。最初の15分は、その外に出せない部分を取りに行く時間です。

参考にした公式情報

法律の扱いは状況によって変わります。個別の判断が必要な場合は、専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

SEOを専門に8年以上、上場企業を含む全国のクライアントのWebマーケティングを支援。オンライン受発注サイトでは、454件すべてが「満足」評価(「残念」0件、2026年8月確認)。SEO・LLMO/AIO対策、ホームページ制作を通じて、中小企業のWeb集客と問い合わせ獲得を支援しています。

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