ホームページ診断のやり方|無料ツールの限界と、自社でできる15項目チェック

ホームページから問い合わせが増えないとき、表示速度やSEOの点数を測って、数字の低いところから直そうとしていないでしょうか。よくある進め方ですが、これで成果が変わることはあまりありません。
ホームページ診断で大切なのは、点数を並べることより、どこで訪問者が止まっているかを見つけることです。誰に何を伝えるサイトなのか。訪問者が相談まで進めるのか。その行動をきちんと数えられているのか。この3つを確認すれば、直す場所と順番は自然に決まります。
無料ツールは、表示速度や検索での見え方を調べるのに役立ちます。ただ、サービスの違いが伝わるか、問い合わせボタンからフォームへ迷わず進めるか、届いた相談が本当に対象のお客様からのものか。ここまでは点数では分かりません。この記事では、ホームページ診断で確認する7つの領域、自社でできるチェックリスト、そして直す順番の決め方をお伝えします。
ホームページ診断とは、問い合わせまでの詰まりを特定すること
診断とは、サイトの見た目や技術を採点する作業ではありません。訪問者がサイトに来てから問い合わせに至るまでの間で、どこで止まっているかを特定することです。
見るのは3つの区間です。
- 読んで理解できるか:開いたページで、何の会社か、自分に関係があるかが分かる
- 比べて選べるか:対応範囲、進め方、料金の考え方、実績を確認できる
- 問い合わせが届き、数えられているか:フォームを完了でき、その行動を記録できている
たとえばアクセスがあるのに問い合わせがないとき、原因は一つではありません。対象外の人が来ている、サービスが分かりにくい、フォームが使いにくい、あるいは問い合わせは来ているのに数えられていないだけ、ということもあります。
なお、検索で見つかる手前を含めた集客全体の流れは、Webマーケティングの分析は何を見る?で解説しています。この記事は、そのうち「サイトに来てから」の部分を詳しく見るものです。
診断のゴールは、問題を多く挙げることではありません。成果への影響がいちばん大きい問題を、一つ見つけることです。
無料診断ツールで分かること、人が見ないと分からないこと
ホームページの無料診断ツールと人の目には、それぞれ得意な領域があります。
| ツールで分かること | 人が見ないと分からないこと |
|---|---|
| 表示速度、スマートフォンでの見え方、技術上の不具合 | 誰向けのサイトか、相談したくなる説明になっているか |
| 検索での表示回数、クリック数、検索された言葉 | サイト内で迷った理由、その後の受注につながったか |
| ページの閲覧数や、設定した行動の発生回数 | その計測設定が正しいか、届いた相談の質はどうか |
| 見出しやリンクなど、機械的に判定できる項目 | 検索した人の疑問に答えているか、競合との違い |
無料ツールは、異常を見つけたり、修正の前後を比べたりするのに向いています。ただし、点数の低い項目が最優先とは限りません。
表示速度に改善余地があっても、フォームが送信できない状態ならフォームが先です。技術的なSEO項目が満点でも、誰向けで何を相談できるかが伝わらなければ、問い合わせには進みません。
ホームページ診断で確認する7つの領域
1. サイトの目的と対象のお客様
最初に、ホームページで増やしたい行動を1つ決めます。問い合わせか、予約か、資料請求か、採用応募か。同じ「問い合わせ」でも、法人からの相談と個人の予約では、必要な情報がまったく違います。
ここが曖昧なままだと、アクセスが増えても良い変化なのか判断できません。最終的に増やしたい行動と、来てほしいお客様の条件を先に決めておくと、途中の数字の読み方が決まります。
2. 検索結果からの入口
Search Console(※Googleの無料ツール。検索での見え方が分かります)で、どんな言葉で検索した人に、どのページが表示されているかを確認します。見るのは次の3点です。
- 会社名やサービス名で、正しいページが出てくるか
- 表示は増えているのにクリックされていないページはないか
- 大事なページが検索に登録されているか
表示が少ないならページ不足か検索への登録漏れ、表示はあるのにクリックが少ないならタイトルと説明文を見直します。SEO全体の進め方は札幌のSEO対策を始める手順で解説しています。
3. サービス内容と信頼材料
訪問者が「自分のためのサービスだ」と判断する材料は、会社が伝えたい情報より一段手前にあります。対象のお客様と課題、対応する範囲、納品されるもの、料金の考え方、進め方、実績、そして対応できないこと。
「高品質」「丁寧に対応」だけでは他社と比べようがありません。実際の支援範囲や手順、事例など、確認できる情報に置き換えます。制作やリニューアルを検討中なら、ホームページ制作費用の考え方もあわせてご覧ください。
4. 問い合わせボタンとページ間の導線
問い合わせボタンは、置いてあるだけでは足りません。訪問者が判断できる位置と文脈にあるかを見ます。
- サービスを理解した後に、次の行動が示されているか
- ボタンの文言から、押した後に何が起きるか分かるか
- パソコンとスマートフォンの両方で見つかるか
すべてのページで問い合わせを強く求める必要はありません。情報収集中の人には資料や関連記事を、検討中の人には事例や問い合わせを。読者の段階に合う次の一歩を用意します。
5. フォームとスマートフォンでの使いやすさ
ここは実際に自分でテスト送信してください。管理画面の設定を眺めるだけでは分かりません。
- 入力項目が多すぎないか、必須と任意が分かるか
- エラーの場所と直し方が分かるか
- 送信した後、どうなったかが分かるか
- 完了通知が担当者と送信者の双方に届くか
送信完了の画面が出ても、通知メールが届かない、担当者に転送されない、迷惑メールに入っている。見落とされやすい箇所です。電話や予約が中心のサイトなら、営業時間・対応地域・予約枠など、行動の前に必要な情報も確認します。
6. 表示の速さと、スマートフォンでの読みやすさ
PageSpeed Insights(※表示の速さを測るGoogleの無料ツール)では、実際の訪問者のデータと、決まった条件で測ったデータの両方を確認できます。測り方が違うので、2つの数値は一致しないのが普通です。
見るのは、主要ページがスマートフォンで読めるか、画像や外部の機能が表示を大きく遅らせていないか、ボタンや文字が押しやすいかの3点です。一度の計測値で良し悪しを決めないでください。ページ、端末、データの種類で結果は変わります。
7. 計測と、実際に届いた問い合わせ
GA4(※Googleの無料のアクセス解析ツール)では、ページの閲覧やボタンのクリックを記録できます。ただし、設定されていることと、正しく数えられていることは別の話です。
- フォームの開始と完了を区別できているか
- 確認画面を開いただけで完了として数えていないか
- 同じ問い合わせを二重に数えていないか
- 社内テストや営業メールを除外できているか
最後に、記録された完了数と、実際に届いた問い合わせ・商談・受注を突き合わせます。この照合をすると、「数字は増えたのに相談は増えていない」といったズレが見えてきます。
自社でできるホームページ診断チェックリスト
15項目を一度に埋めるのは大変です。まず9・10・13の3つ(フォームが送れるか、通知が届くか、正しく数えられているか)だけ確認してください。ここが壊れていると、他をどれだけ直しても成果に現れません。
残りは「はい」「いいえ」「不明」で確認します。「不明」も、確認が必要という意味では「いいえ」と同じです。
| 分類 | チェック項目 |
|---|---|
| 目的 | 1. 増やしたい成果と対象のお客様を言葉にできる |
| 入口 | 2. 会社名と主要サービス名で正しいページが出る |
| 入口 | 3. 検索された言葉と流入ページを確認できる |
| 内容 | 4. 最初の画面で対象と提供内容が分かる |
| 内容 | 5. 対応範囲、進め方、料金の考え方を確認できる |
| 信頼 | 6. 実績、事例、担当者などの根拠がある |
| 導線 | 7. 記事やサービスページから次の情報へ進める |
| ボタン | 8. 押した後に何が起きるか文言から分かる |
| フォーム | 9. スマートフォンでテスト送信を完了できる |
| フォーム | 10. 送信者と担当者の双方へ完了通知が届く |
| 技術 | 11. 主要ページが検索から意図せず外れていない |
| 表示 | 12. 主要ページをパソコンとスマホで確認した |
| 計測 | 13. フォーム完了が送信時に一度だけ記録される |
| 計測 | 14. 電話や外部予約など重要な行動を確認できる |
| 成果 | 15. 記録した数字と実際の問い合わせを照合している |
ホームページ改善の優先順位を決める方法
見つかった課題は、4つの視点で見分けます。
- 成果への影響:問い合わせを直接妨げているか
- 根拠:実測や顧客の声で裏が取れているか
- 実施負担:費用と時間はどれくらいかかるか
- 検証のしやすさ:直した後、何を見れば判断できるか
この4つで整理すると、順番はだいたいこうなります。
- 壊れているから直す:フォームが送れない、ボタンのリンク先が違う、大事な完了を数えていない
- 仮説として試す:訪問の多いサービスページの説明不足、フォーム開始後の離脱、スマートフォンの操作性
- 次の改修でまとめる:事例の追加、ページ構成の見直し、表示速度の継続改善
- 今回は触らない:目的との関係が弱い装飾の変更、根拠のない全面リニューアル
デザインを大きく変える前に、直す理由と、判定に使う数字を決めておきましょう。小さく直して比べられる課題なら、一度に全面改修せず、影響を確かめながら進めるほうが確実です。
外部にWebサイト診断を依頼したほうがいい場合
次のような状況なら、外の視点を入れると整理が早くなります。
- アクセスはあるのに、問い合わせにつながらない
- リニューアルの見積もりを取ったが、直す理由が説明されていない
- フォームからの通知が本当に届いているか、確かめたことがない
- 数字はあるが、何を意味するのか分からない
- リニューアル前に、残すものと直すものを整理したい
公開情報だけでも、ページ内容・導線・フォーム・表示・基本的な技術項目は確認できます。一方で、流入元ごとの行動やフォーム開始後の離脱は、解析ツールの閲覧権限がないと分かる範囲が限られます。
依頼するときは、対象ページ、必要な権限、成果物、優先順位の付け方、修正作業を含むかを確認してください。「問い合わせが必ず増える」「順位が必ず上がる」という保証ではなく、何を根拠に、どの課題を、どの順番で提案するのか。そこを説明できる会社なら、依頼後の認識違いは大きく減ります。見積もりの伝え方は見積もり依頼で伝える12項目にまとめています。
弊社のWebサイト改善診断で確認すること
弊社では、問い合わせが届くまでの経路を通しで確認します。

※画像は診断で使うダッシュボードの説明用サンプルです。数値は実績ではありません。
確認するのは次の項目です。
- 主要ページから問い合わせまでの導線
- ボタンの位置、文言、遷移先
- フォームの開始、離脱、完了
- 計測の設定と、重複や漏れの有無
- ページ別・流入元別の行動の違い
- 優先して検証する改善仮説
ホームページ制作・改善の支援内容も含め、診断後に必要な計測設定・ページ改善・フォーム改善は、実施範囲を分けてご案内します。公開情報だけでも確認できますが、解析ツールを共有いただける場合は実測データを加えて見ます。
診断は、検索順位・アクセス数・問い合わせ数の上昇を保証するものではありません。調査時点の公開情報と、いただいたデータをもとに、確認できた事実、判断、改善候補を分けて整理します。
ホームページ診断に関するよくある質問
ホームページを無料で診断できますか?
できます。Search Console、PageSpeed Insights、GA4などの無料ツールで、検索での見え方、表示の速さ、サイト内の行動を自社で確認できます。ただしツールごとに分かる範囲が違うので、点数だけで直す順番を決めないでください。
表示速度の点数が低ければ、すぐ直すべきですか?
表示速度は大事な項目ですが、一度の点数だけで優先順位は決められません。フォームの不具合や誤ったリンクなど、問い合わせを直接妨げる問題があれば、そちらが先です。
アクセスが少ないサイトでも、先に確認しておくべきことはありますか?
フォームのテスト送信と、通知の到達確認です。訪問が増えてから壊れていたと分かるのが、いちばん惜しいためです。訪問が少ない段階では、数字で断定せず仮説として整理します。
解析ツールの権限は必要ですか?
なくても、内容・導線・フォーム・基本的な技術項目は確認できます。権限をいただけると、ページ別の行動やフォーム開始後の離脱など、実測に基づく確認範囲が広がります。
SEO診断との違いは何ですか?
SEO診断は、検索での順位や流入の課題を中心に見ます。ホームページ診断は、サイトに来た後の導線・ボタン・フォーム・計測を中心に、問い合わせまでの詰まりを見ます。
Webマーケティングの分析とは何が違いますか?
分析は、検索・広告・サイト・商談までの数字を横につなぎ、どの段階で止まっているかを探します(Webマーケティングの分析は何を見る?)。ホームページ診断は、そのうち「サイトに来てから問い合わせが届くまで」を、導線・ボタン・フォーム・計測に分けて中を見ます。
まとめ:最初に直す1つを決める
ホームページ診断では、点数だけでなく、目的、検索からの入口、サービス内容、ボタン、フォーム、表示、計測、そして実際に届いた問い合わせまでを一続きで見ます。
最初に直すのは、指摘の数が多い項目ではありません。成果への影響が大きく、根拠があり、直した後に検証できる項目です。
自社で確認するなら、15項目のうちフォームまわりの3つから始めてください。もし「どこから直せばいいか分からない」と感じているなら、サイトの現状と計測環境が、まだ分けて整理されていないだけかもしれません。
参考にした公式情報
- Google「Search Consoleの表示回数・掲載順位・クリックの定義」
- Google「PageSpeed Insightsについて」
- Google「GA4のイベント」
- Google「Core Web VitalsとGoogle検索結果について」
最終確認日:2026年8月3日。各ツールの仕様は変更されるため、実施時はリンク先の最新情報を確認してください。
