整体院・整骨院の集客|地図・広告・ホームページの役割分担と2回目の人数

予約表を見ていて、先月はじめて来た方の名前が今月には見当たらない。新規はゼロではないのに、月末の合計はあまり動かない。整体院・整骨院の集客のご相談で、いちばんよく聞くのはこの形です。
集客の方法を調べると、地図、検索広告、ホームページ、チラシ、紹介カードと手段が並びます。ただ、手段を足しても、来た方が2回目に来ないままなら、増えた分はそのまま流れていきます。しんどいのは、何もしていないからというより、やったことが積み上がっていない感じがするところだと思います。
この記事では、整体院・整骨院の集客を、新規をどこから入れるかと、その方にどう続けて通ってもらうかの順番として整理します。地図と検索広告とホームページがそれぞれ何を担っていて、何は担えないのか。そのうえで、札幌はるかぜ治療院様の事例で実際にどの順番で進んだのかを、掲載を承諾いただいた範囲でお伝えします。弊社は、はるかぜ治療院様の検索広告と計測、記事づくりをお手伝いしています。
Googleマップに出るための仕組みそのもの(MEO対策※)はMEO対策とはに、地域で進めるときの点検項目と手順は札幌のMEO対策にまとめてあるので、この記事では繰り返しません。
※MEO対策:近くで探している方に、地図の検索結果から自院を選んでもらえるよう、掲載する情報を実態に合わせて整えること。
新規の人数より先に、2回目が何人だったかを数えます
厚生労働省の統計では、令和6年(2024年)末の時点で、全国の柔道整復の施術所は50,924か所でした。この調査は2年ごとに行われていて、2年前の前回調査からの増加は8か所です。数としては、ほぼ横ばいということになります(厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」・2025年7月公表)。整骨院・接骨院として届け出のある施術所だけでこの数で、ここに整体やリラクゼーションの店舗は含まれていません。
この数字が言っているのは、軒数の取り合いという意味では、土俵がもう広がっていないということです。同じ商圏の中で新規を奪い合う設計にすると、費用を積み増した側が勝つ勝負になります。
一方で、続けて通っていただける商売では、1人の意味が来店の回数で変わります。初回だけの方が10人と、その後も続く方が10人では、必要な新規の数がまったく違います。だから、入口を選ぶ前に見るのは新規の人数ではなく、先月来た方のうち何人が2回目に来たか、です。
ここを数えていない院がほとんどです。予約表からしか分からず、集計する時間もないからです。ただ、この数字がないまま入口を増やすと、増えたのか減ったのかも分からないまま費用だけが積み上がります。
地図と検索広告とホームページは、担当している場所が違います
整体院の集客で使う入口は、性格がはっきり分かれています。同じ「集客」という言葉でくくると混ざるので、何を担って、何は担えないのかを分けておきます。
地図(Googleビジネスプロフィール※) は、いま近くで探している方との接点です。治療院の集客でGoogleマップから来る方は、地域名や症状の言葉で調べて、営業時間・写真・口コミを見比べたうえで電話をかけてきます。無料で始められるかわりに、情報が実態と合っていないと、その場で隣の院に移られます。
※Googleビジネスプロフィール:地図や検索結果に出る自院の掲載欄を、無料で登録して自分で直せるしくみ。営業時間や写真、口コミへの返信もここから扱います。
検索広告※ は、出す言葉をこちらで選べて、明日にでも止められる入口です。もうひとつ、費用を払っている間は、実際に検索された言葉の一覧が手元に貯まります。Google広告のヘルプは、この検索語句レポートについて「検索語句とは、ユーザーが Google 検索や検索ネットワークのサイトで検索を行うときに入力する語句のことです」と説明しています。自分の院が何と呼ばれて探されているかを、想像で決めずに済みます。
※検索広告:検索結果のページに広告として出るもので、押された分だけ費用が発生します。
ホームページ は入口というより受け皿です。地図と広告から来た方が、ここで予約するかどうかを決めます。予約の方法、料金の目安、行き方、いつ空いているか。この4つが見つからないと、そこまで来ていただいた分がそのまま消えます。
3つとも入口の話で、2回目に来ていただく部分はどれも担いません。入口の話と、続けて通っていただく話は、分けて決めたほうがどちらも決めやすくなります。

札幌はるかぜ治療院様で、実際に進んだ順番
札幌はるかぜ治療院様は、札幌市北区で自律神経の不調を専門に掲げる完全予約制の治療院です。予約の窓口は電話とLINEです。ここから先は、掲載を承諾いただいた事例ページに載っている範囲でお話しします。
最初にしたのは、どこまで数えられるかの線引きでした
ご相談をいただいた時点で、広告の管理画面には表示・クリック・獲得の数字が並んでいました。ただ、その画面だけでは、電話・予約・来院のどこまで進んだのかは分かりません。これは院の側の問題ではなく、管理画面という道具がそこまでは見せてくれない、というだけの話です。
そこで、運用に手を入れる前に、管理画面の数字と院の中の数字を分けてつなぎ直しました。問い合わせをひとまとめの件数にせず、確かめられる場所ごとに切り分けています。
| 画面の中で確かめられること | 院に伺わないと分からないこと |
|---|---|
| 広告が何回出て、何回押されて、いくらかかったか | 鳴った電話やLINEが、予約になったか |
| サイトの電話ボタン・LINEボタンが押された数 | 実際に来院されたか。その後も続いたか |
左と右は、毎月の報告でも分けたままにしています。ボタンが押された数は、予約が入った件数ではありません。ここを足してひとつの成果にすると、増えたように見えて中身は変わっていない、ということが起きます。
次に、広告の行き先を絞りました
検索された語句を確認し、相談の意図とずれている検索を見つけて対象外にしていきました。限られた広告費を、より相談に近い検索へ配分し直すためです。あわせて、施術中でも相談を受けられるように、電話とLINEの導線を整えました。
除外の考え方は、Google広告のヘルプにそのまま書かれています。「除外キーワードを設定すると、特定の検索語句を広告の表示対象から除外して、お客様の商品やサービスに関連する重要なキーワードを検索したユーザーのみに広告を表示することができます」。同じページには「除外キーワードは慎重に選択してください。除外キーワードの数が多すぎると、広告の表示対象となるユーザー数が減る可能性があります」という注意もあります。外しすぎると、届く相手そのものが減ります。
あわせて、症状名や受診先についての疑問に答える記事も、広告と同じゴールへつながるように作っています。ただ、記事は公開してすぐ結果が出るものではありません。だから何本書いたかを成果とは数えず、検索から読まれた量がどう動くかを毎月追いかけている段階です。
数えたのは、来院まで確認できた3名です
広告の出し方を整えたあと、約1か月のあいだに広告から来院された新規の方が3名。その3名が全員、継続コースを選ばれました。ボタンが押された数ではなく、来院した方として、院の記録と突き合わせたうえで数えた結果です。
約1か月という短い期間で、来院まで確かめられた分だけを数えています。続けて通っていただく商売では、初回で終わるか続くかで1人の重みが変わります。広告費に対して意味があったかどうかは、この数え方でしか確かめられないと考えています。
期間、季節、商圏、予約枠、受付体制。条件は院ごとに違うので、同じ結果になるとはお伝えできません。1回の反応にかかった広告費の変化も、期間の長さが違うことを含めて注記つきで事例ページに出しています。
なお、この事例で弊社が担当しているのは広告・計測・記事とレポートで、公式サイト全体の制作やデザインは範囲に入っていません。予約枠や受付体制の整備も、反応が増えたあとの次の段階として、必要に応じて検討する範囲としています。できることを全部並べるより、担当しない範囲を先に決めておくほうが、毎月の報告が正直になります。
最初の3か月は、この順番で手をつけます
一度に全部は動きません。整骨院の集客方法をひととおり調べたあとほど、同時に始めたくなりますが、それをやると何が効いたか分からなくなります。順番はこうです。
なお、先ほどのはるかぜ治療院様は、地図より先に広告と計測から入りました。来院の総数そのものが足りない場合は、この順番が入れ替わります。ここに書くのは、多くの院にあてはまるほうの順番です。
1か月目:数え方を決めて、地図を実態に合わせる。 まず、何をもって1件と呼ぶかを紙1枚に書きます。電話が鳴った数か、予約が入った数か、来院した数か。次に、Googleマップ上の自院の掲載欄を開き、営業時間・電話番号・受付時間・行き方が実際と合っているか見ます。点検の項目は札幌のMEO対策に12項目でまとめてあるので、地域が違っても中身はそのまま使えます。
2か月目:入口を1つだけ増やす。 地図の情報が整ったなら、次は検索広告か、ホームページの予約導線のどちらかです。判断は単純で、予約の取りこぼしがありそうならホームページの導線が先、来院の総数がそもそも足りないなら広告が先になります。2つ同時に動かすと、費用が増えた理由をあとから切り分けられなくなります。
3か月目:2回目の人数を月ごとに並べる。 1か月目に決めた数え方で、3か月分を横に並べます。ここではじめて、入口を増やした効果を見られる状態になります。次に変える点は1つに絞ります。
3か月で順位が上がるとか、問い合わせが何倍になるという話ではありません。3か月かけて手に入るのは、来月どこを触るかを自分で決められる状態です。
増やす前に、やめていいこと
集客でやることを増やすより、やらないと決めるほうが効くことがあります。5つ並べますが、今日決めるなら最初の1つだけで十分です。
入口を全部同時に始めなくていい。 地図も広告もSNSもチラシも、と広げると、続けられないものが混ざります。整体院で新規を増やしたいときほど、1つずつのほうが早く着きます。
店名に説明を足さない。 Googleのガイドラインは、ビジネス名について「不要な情報を含めることはできません。含めると、ビジネス プロフィールが停止される場合があります」としています。看板の名前に検索されたい言葉を足すのは、効くどころか掲載そのものを失う操作です。名前の付け方の決まりは札幌のMEO対策の手順2にあります。
口コミを特典と引き換えに頼まない。 割引やサービスを条件にすると、Googleのポリシーに触れます。施術のあとに一言お願いする形なら問題なく、その線引きはGoogleの口コミを増やす方法にあります。
毎日の投稿を義務にしなくていい。 SNSが要らないという話ではありません。SNSはまだ探していない方に届く手段で、検索や地図はいま探している方に届く手段です。役割が違うので、順番の問題として考えれば十分です。弊社も自社のアカウントで試していますし、必要な場面ではもちろん組み立てます。
新規の人数だけを目標に置かない。 目標を新規の数にすると、来た方が続いたかどうかが評価から外れます。数えるのは、新規の数と、2回目の数の2つです。
治療院のご相談を受けたとき、弊社が最初に伺うこと
最初にするのは、何を1件と呼ぶかを決めることです。電話、LINE、フォーム、ボタンが押された数、実際の来院。これらを1つの数字にまとめず、確かめられる場所ごとに分けたまま報告します。数字から言えることと、院に伺わないと分からないことも、混ぜずに分けます。
そのうえで、地図・検索広告・ホームページのどれから手をつけるかを、いまの数字を見て決めます。全部やりましょうとは言いません。担当しない範囲も先に決めます。はるかぜ治療院様の事例でも、公式サイト全体の制作は担当範囲に入っていません。担当する範囲とそうでない範囲を先に分けておくと、毎月の報告で言えることの線がはっきりします。
必要になれば、記事も、写真も、予約の導線も組めます。どこから始めるかは、いまの数え方と、先月2回目に来た方の人数を伺ってから提案します。
整体院・整骨院の集客について、よくいただく質問
開業したばかりで、広告に出せるお金がほとんどありません。何から始められますか
地図の掲載欄を整えるところからです。無料で、営業時間や電話番号、受付時間、行き方、写真を実態に合わせるところまでできます。ここが合っていないと、あとで広告に費用をかけても、行き着いた先で選ばれません。順番として、費用のかからないところが先というのは理にかなっています。
Googleマップと検索広告、着手するならどちらが先ですか
地図が先です。理由は、広告から来た方も結局は地図の情報や口コミを見て決めるからです。ただし、地図を整えても表示される回数がそもそも少ない立地・商圏の場合は、広告で先に来院の数を作り、そこで貯まった検索語句を地図と記事に回す進め方もあります。表示の決まり方はMEO対策とはで説明しています。
ホームページは作り直したほうがいいですか
作り直す前に、予約の方法・料金の目安・行き方・空き状況の4つが、スマートフォンで3回以内のタップで見つかるかを確かめてください。見つかるなら、作り直しは急ぎではありません。見つからない場合も、1ページの追加や導線の修正で足りることがあります。全面的な作り直しは、費用が大きいわりに、効いたかどうかを切り分けにくい手です。
予約が電話しかありません。ネット予約は入れたほうがいいですか
先に、いま鳴っている電話が何時に多いかを1か月だけ記録してください。受付できない時間帯や施術中に集中しているなら、ネット予約かLINEを足す価値があります。日中に収まっているなら、急ぎではありません。入れる場合も電話をなくす必要はなく、両方を残したまま、どちらから来たかを分けて数えるのが先です。
整体院と、整骨院・接骨院で、集客の進め方は変わりますか
数え方と順番は同じです。変わるのは、探す人が使う言葉と、Googleマップで選ぶカテゴリです。ここは実態に合わせるのが原則で、たくさん検索されているからという理由で実態と違うカテゴリを選ぶと、来てほしくない相談が増えます。カテゴリの考え方はMEO対策とはにあります。
どのくらいで変化が見えますか
入口によって違います。地図の情報を直した分は比較的早く画面に出ますが、表示される順位そのものはお約束できません。検索広告は数日で実際に検索された言葉が貯まり始めます。記事は公開してすぐ結果が出るものではないので、月ごとの流入の変化を追いかけることになります。共通しているのは、3か月ほど同じ数え方で並べないと、変化かどうかの判断がつかないことです。
まとめ:画面で分かることと、院に伺わないと分からないことを分ける
整体院・整骨院の集客を、入口の選び方と、続けて通っていただくまでの数え方として見てきました。
地図はいま探している方との接点、検索広告は言葉を選べて止められる入口、ホームページはその受け皿。そして3つのどれも、2回目に来ていただく部分は担いません。はるかぜ治療院様で最初にしたのも、どこまでが画面で分かるのかを分ける作業でした。
先月来た新規のうち、2回目に来た方が何人か。この1つが言える状態になると、入口を増やすかどうかも、広告を止めるかどうかも、自分で決められるようになります。まだ数えていない段階からのご相談でも大丈夫です。
参考にした公式情報
- 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2026年9月4日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」(2026年9月4日確認)
- Google 広告 ヘルプ「除外キーワードについて」(2026年9月4日確認)
- Google 広告 ヘルプ「検索語句レポートについて」(2026年9月4日確認)
