導入事例の依頼メール例文4通|掲載許可のもらい方と、断られにくい頼み方

導入事例の依頼メールは、短いほうが通ります。

長くなる理由はだいたい決まっていて、失礼にならないように言葉を重ねるからです。ただ、受け取った側からすると、長い依頼文は「何をどれだけ頼まれるのか」が見えにくく、返事を保留する理由になります。頼む前に半年迷っていた、という話を弊社はよく聞きます。相手の時間をもらう話ですから、迷って当然だと思います。ただ、その半年のあいだ、相手は何も困っていません。

この記事には、そのまま使える依頼メールの例文を4通、件名つきで載せました。初回の依頼、取材日程の調整、原稿確認と掲載許可の最終確認、掲載後のお礼です。あわせて、掲載許可を「社名・画面・数字・人」の4つに分けてもらう方法、断られたときの返し方、公開したあとにやることをまとめています。弊社は自社サイトの事例ページで、3社から実名で掲載の許可をいただいています。そのときの進め方も、公開している範囲で書きます。

いつ頼むか、取材で何を聞くか、自社で作るか外に頼むかは、導入事例の作り方に書きました。この記事は、その中の「頼む」場面だけを掘り下げたものです。

目次

依頼メールで決まるのは、相手の負担と相手のメリットです

導入事例やお客様事例の依頼メールを読んだ相手が知りたいことは2つです。自分は何をどれだけやることになるのか。それを引き受けると、自分の側に何があるのか。この2つが最初の画面に収まっていれば、あとの言葉は少なくて済みます。

導入事例の作り方に書いた「先に伝える4つ」を、メールの最初の画面に収めるとこうなります。負担の側は、小さく、はっきり書きます。

  • 時間:お話を伺うのは30分、オンラインで
  • 作業:原稿はこちらで書く。お願いするのは公開前の確認だけ
  • 決めること:社名、数字、写真を出すかどうかは、相手が選べる
  • やめられること:公開後でも、載せ方の変更や取り下げに応じる

4つ全部を最初のメールに入れる必要はありません。まず時間と作業の2つが伝われば、相手は返事ができます。残りは日程調整や原稿確認の段階で、そのつど伝えれば足ります。

メリットの側は、盛らずに具体的に書きます。相手にとって事例に載ることは、自社の取り組みが第三者の言葉で紹介されるということです。できあがった紹介文は、そのまま採用ページや営業資料に使えます。事例ページから相手のサイトへリンクが張られますし、取材で話しているうちに自社の取り組みが整理される、ということもあります。逆に「弊社の実績として使わせてください」と書くと、相手の側には負担しか残りません。頼む理由は、相手の側に置きます。

誰に、いつ、何を用意して頼むか

誰に。 日々やり取りしている担当者に、まず相談します。社長や決裁者へ直接送るより、担当者から社内に上げてもらうほうが通りやすいからです。そのとき担当者が困るのは、上司に「何を載せるの」と聞かれて答えられないことです。掲載を予定している項目の一覧(社名・画面・数字・人・リンク)を1枚にして渡しておくと、担当者はそれを転送するだけで済みます。

いつ。 成果を報告した直後がいちばん通りやすい、というのは導入事例の作り方に書いたとおりです。もう1つ、こちらの都合として大事なのは、見せられる形になってから頼むことです。弊社の事例ページは、原稿や確認用のページを先に作り、それを見ていただいたうえで許可をもらう順番にしています。「こういうものを載せます」と実物で示せると、相手は想像で判断せずに済みます。断られる確率も、ここで下がります。

何を用意して。 全部そろえてから頼もうとすると、いつまでも送れません。掲載項目の一覧と所要時間があれば送れます。質問3つ、公開予定の場所と時期、取り下げの約束は、日程調整と原稿確認のメールで順に伝えれば間に合います。

掲載許可までの依頼メール例文4通(件名つき・そのまま使えます)

4通は、同じお客様に送る順番で並べています。「〇〇様」が相手、「□□」が自社名、「△△」が自分の名前です。敬語の硬さは、普段のやり取りの温度に合わせてください。普段からチャットでやり取りしている相手なら、同じ内容を短くして送るほうが自然です。

導入事例の依頼から掲載までの7つの段階と、初回依頼・日程調整・原稿確認・お礼の4通のメールを送る位置を示した図
図1:依頼から掲載までの流れ。4通のメールはこの位置で送ります(弊社作成・2026年9月2日)

例文1:初回の依頼(掲載許可のお願い)

最初の1通で決まるのは、可否より「返事のしやすさ」です。断る選択肢を文中に置いておくと、相手は保留せずに返事ができます。

件名:導入事例としてご紹介させていただけないでしょうか(□□・△△)

〇〇様

いつもありがとうございます。□□の△△です。

先日お聞かせいただいた「(成果や変化の内容)」のお話を、同じことで悩んでいる会社の参考にしていただきたく、弊社サイトの導入事例としてご紹介させていただけないでしょうか。

お願いしたいのは、次の2つだけです。

・30分ほど、オンラインでお話を伺う時間

・書き上がった原稿を、公開前に一度ご確認いただくこと

原稿は弊社で書きます。社名を出すか、数字を載せるか、お写真を使うかは、〇〇様のご都合で決めていただけます。公開したあとに載せ方を変えたい、やめたいとなった場合も、すぐに対応します。

ご負担のない範囲でご検討いただけましたら幸いです。難しければ、その旨だけお返事いただければ大丈夫です。

□□ △△

例文2:取材日程の調整

承諾の返事が来たら、その日のうちに送ります。候補を3つ、所要時間と録音の扱いを添えると、準備が要らないことが相手に伝わります。

件名:事例取材の日程のご相談(□□・△△)

〇〇様

ご快諾ありがとうございます。さっそく日程のご相談です。

お話を伺う日程ですが、下記のうちご都合のよい枠はありますでしょうか。いずれも30分、オンラインです。

・〇月〇日(〇)14:00〜

・〇月〇日(〇)10:00〜、16:00〜

・〇月〇日(〇)終日

当日は、原稿を書くために録音をさせていただければと思います(公開はしません)。お聞きしたいことは前日までに3つだけお送りしますので、ご準備は不要です。

ご都合が合わなければ、別の日でも構いません。

□□ △△

例文3:原稿の確認と、掲載許可の最終確認

取材の当日に何をどの順で聞くかは、インタビュー記事の書き方で質問リストごと公開しています。ここからは、取材のあとのメールです。

取材のお礼と原稿の確認を1通にまとめます。見てほしい点を3つに絞り、掲載する項目を一覧にして添えるのがこのメールの役目です。ここで「ここまでなら」が決まります。

件名:事例原稿のご確認と、掲載内容のご了承のお願い(□□・△△)

〇〇様

先日はお時間をいただき、ありがとうございました。お話をもとに原稿をまとめましたので、添付をご確認いただけますでしょうか。

見ていただきたいのは3点です。

・事実と違うところ

・社外に出したくない情報

・言い回しの印象(「こうは言っていない」と感じる箇所)

ご指摘は、そのまま反映します。載せ方を変えたい場合(社名を伏せる、数字を外す、お写真を使わない等)も、この段階でお知らせください。

掲載を予定している内容は次のとおりです。

社名/ご担当者のお名前と役職/お写真〇枚/数字(〇〇の件数)/〇〇様のサイトへのリンク

お手数ですが、〇月〇日(〇)までにご返信いただけると助かります。間に合わないようでしたら、その旨だけお知らせください。

□□ △△

例文4:掲載後のお礼

公開した日に、URLと一緒に送ります。相手のサイトからの紹介は「よろしければ」の温度までにします。ここで押すと、せっかくの関係が一段冷えます。

件名:事例ページを公開しました(□□・△△)

〇〇様

本日、事例ページを公開しました。

(公開したページのURL)

お忙しい中、取材と原稿のご確認にお時間をいただき、本当にありがとうございました。〇〇様の「(取材で印象に残った言葉)」というお言葉は、同じところで悩んでいる方の背中を押すと思っています。

載せている内容に変更が必要になった場合(ご担当者の異動、数字の更新、掲載の取りやめ等)は、いつでもご連絡ください。すぐに直します。

もしよろしければ、〇〇様のサイトやSNSでもご紹介いただけると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたします。

□□ △△

掲載許可は「載せていいですか」を、社名・画面・数字・人の4つに分けて聞く

許可を一言で聞くと、相手はいちばん重い項目で判断します。数字を出したくない会社は、社名も画面も含めて「今回は遠慮します」と答えるのが普通です。分けて聞くと、返事が「可か否か」から「どこまでか」に変わります。

項目 聞き方の目安
社名 社名を出すか、業種と規模だけにするか
画面・写真 サイトの画面、製品や現場の写真を載せてよいか
数字 件数や金額を出すか、出すなら丸めた値か、出さずに取り組みだけにするか
担当者の氏名・役職・顔写真を載せてよいか。本人にも確認するか

4つのうち、会社の返事だけでは決まらないのが「人」です。担当者個人のお名前や顔写真は、会社の許可とは別に、本人の同意をもらってから載せます。写真に写った本人が分かるものは個人情報にあたり、不特定多数へ出す場合は本人の同意を得ておくのが望ましいと、個人情報保護委員会の案内にも書かれています。肖像権(※)も同じで、撮影した相手の承諾を先に得ておくのが基本です。法律の判断が必要な場面は、専門家に確認しておくと安心です。

※肖像権=自分の顔や姿を、勝手に撮られたり公開されたりしない権利。法律の条文に名前があるわけではなく、裁判の積み重ねで認められてきた権利です。

弊社の事例ページでは、こうなりました

同じ4つで分けて見ると、弊社の3つの事例は、それぞれ別の形です。

1社目のキャリアチアーズ様の事例は、SEO記事の制作をご一緒した会社です。社名、担当した範囲、公開されている記事の画面、検索で確認できた結果まで載せています。末尾には、許諾を得て公開していることを一文で添えています。訪問数の数字は弊社の管理画面の実測ではなく、第三者の専門ツールの推定です。その注記を、数字のすぐ横に書いています。あとから記事の画面を新しく足すときは、それが最初の許可の範囲に入るかを改めて確認する決まりにしています。

2社目の壱工房様の事例は、石狩市の会社です。大工直営で、木造小屋とリフォームを手がけています。ホームページと紹介動画、見積もり診断、LINE相談の入口を一式で制作しました。取材は弊社代表が担当し、代表おふたりの動画も実際の画面も、そのまま公開してよいと言っていただけました。一方で、問い合わせ件数や売上といった数字は公開していません。数字がなくても、実物を見せられる事例は成立します。

3社目の札幌はるかぜ治療院様の事例は、検索広告と計測、記事制作を支援している治療院です。掲載承諾をいただいたうえで、どこまで載せるかは弊社の判断で絞りました。毎月のレポートは実物を出さず項目だけ、広告の数字は丸めた値、検索からの流入は件数を出さず段階だけです。来院された方の人数は、現場で確認した内容として書いています(管理画面の数字とは分けています)。載せる範囲を先に決めてから公開する、という順番です。

3社に共通しているのは、許可を「全部か、なしか」で聞かなかったことです。何をどこまで載せるかは、会社ごとに、項目ごとに決めました。社名は出すが数字は伏せる、画面は出すが人は出さない。組み合わせが違っても、事例はどれも成立します。

いただいた許可は、返信を保存しておけば十分です。残し方は、先ほどの導入事例の作り方の記事に書きました。

断られたとき、条件付きのとき。理由別の返し方

断られると、次の1社に声をかけるのが億劫になります。ただ、断りの返事には理由が書かれていることが多く、その理由ごとに返し方は違います。

断られた理由 返し方
今は忙しい 取材をなくし、メールで質問3つだけ。あるいは原稿をこちらで書き、確認だけをお願いする
社名を出す決裁が取れない 業種と規模だけの匿名にする。サイトの画面や製品名も出さない
数字は出せない 数字なしで、取り組みと実物だけで書く。制作物や画面をそのまま見せられれば、事例は成立します
写真は使ってほしくない 写真をやめ、図や画面の絵で置き換える。人の写真は最初から任意にしておく
上司に説明しにくい 掲載予定の項目を1枚にまとめ、担当者がそのまま転送できる形で渡す

返す文は短くて構いません。

ご検討いただき、ありがとうございます。承知しました。

社名を出さない形や、数字を載せない形でしたら、ご負担は減りそうでしょうか。もしそうでしたら、その形でご検討いただけると助かります。難しいようでしたら、今回は見送りで大丈夫です。

条件を落とした提案は1回だけにして、それでも難しければ引きます。2回目を押すと、次の仕事に響きます。断られた理由はメモしておき、次に成果が出て報告するときに、一度だけ聞き直します。弊社の事例一覧にも、社名を伏せて業種だけで紹介している事例があります。社名がなくても、困りごとと打ち手が具体的に書いてあれば、読む人は自分の会社に重ねて読めます。

公開したあとにやること

公開して終わり、になりがちな場面です。ここで少し手をかけると、次の依頼が楽になります。

  1. 公開した日にURLを送る。 例文4のとおりです。担当者が社内で共有しやすいよう、ページの冒頭にどんな内容かが分かる一文を置いておきます。
  2. 相手のサイトからの紹介は、提案の温度で。 相手にとっては、取引先の実績に自社が載っていることが信頼の材料になります。ただし相手のサイトに手を入れてもらう話なので、「よろしければ」までにとどめます。
  3. 数字には日付を添え、1年を目安に見直す。 担当者が異動している、数字が古くなっている、ということは普通に起きます。弊社の事例ページでは、数字の取得日と計測の条件を数字の横に書いています。
  4. 取り下げの窓口を持ち続ける。 連絡があれば当日直す、という約束を守るために、誰が窓口かを社内で決めておきます。

4つのうち、まず1と4だけは公開日に済ませておくと、あとが楽です。

もう1つ。相手の社名で検索したときに、こちらの事例ページが検索結果に出ることがあります。事例は相手のお客様や求職者も読む前提で書き、相手が読まれて困る話は入れないでおきます。

事例を公開しても問い合わせが増えないときは、ホームページから問い合わせが来ない原因は2つで原因の当たりをつけられます。

依頼と許可の部分を、弊社が一緒に進める場合

導入事例の制作をお受けするとき、依頼と許可の場面で弊社がしているのは、この記事に書いたことの実務版です。依頼文のたたき台を、相手との関係に合わせて書き直します。掲載項目の一覧を作り、確認用の原稿かページを先に用意してから許可をいただきます。いただいた返事は項目ごとに記録し、公開後の取り下げの窓口も決めておきます。

ただし、最初の依頼と承諾だけは、お客様との関係を持っている会社ご自身から伝えていただくのが基本です。理由は導入事例の作り方に書きました。お客様との関係を持っているのは、その会社だからです。その先の取材、執筆、原稿確認のやり取りは、同席でも代行でもお受けしています。

制作した記事や事例は、SEO記事・コンテンツ制作の実績で公開中のページごと確かめられます。どこまでお手伝いできるかは、記事・コンテンツ制作のサービスページに書いています。

導入事例の依頼メールについてよくある質問

メールと電話、どちらで頼むのがよいですか

普段のやり取りの手段に合わせるのがいちばんです。電話や打ち合わせで切り出したときも、その日のうちに例文1の内容をメールで送っておきます。相手が社内に上げるときに、文面があると話が早いからです。

返事が来ないときは、どうすればいいですか

1週間ほど待って、1回だけ短く聞きます。「先日の件、いかがでしょうか。見送りでも構いませんので、その場合はその旨だけいただけると助かります」の一言で構いません。返事がないのは断りにくいだけ、ということも多いので、見送りの選択肢を渡すと返事が来ます。

担当者の名前や顔写真は載せてもいいですか

会社の許可とは別に、本人に確認します。会社のサイトで公開されている代表者の役職とお名前を書く程度と、担当者の顔写真を載せるのとでは、扱いの重さが違います。写真は最初から「任意」にしておくと、依頼の段階で相手が身構えません。

謝礼は必要ですか

必須ではありません。相手のサイトへのリンクや、完成した原稿を相手が自社の採用ページや資料に使える許可を渡すほうが、喜ばれることが多いです。金銭の謝礼を渡す場合は、読む人に誤解を与えないよう、事例の中でその旨を明らかにしておくほうがよいと思います。

取材をせず、メールのやり取りだけで作れますか

作れます。質問を3つに絞って送り、返ってきた答えをもとに原稿を書き、確認をお願いする形です。文章だと話が広がりにくいので、「導入前に困っていた場面」「変わったと気づいた出来事」「社内の反応」の3つを聞くと、事例の形になります。

取引先の一覧やロゴだけを載せたい場合も、同じ頼み方でいいですか

頼み方は同じで、文面は短くなります。例文1の「お願いしたいのは」以降を「掲載するのは社名(ロゴ)と支援内容の一行だけで、取材や原稿確認はありません」に置き換え、取り下げに応じる一文だけ残せば足ります。契約書に秘密保持の条項がある場合は、その条項に沿った形で進めます。

まとめ:最初の1通は短く、相手の負担が読める形で

依頼メールは、相手の負担と相手のメリットが最初の画面に収まっていれば、長い前置きは要りません。掲載許可は社名・画面・数字・人に分けて聞き、返事に合わせて原稿の形を変える。断られたら理由に合わせて1回だけ条件を落とし、それでも難しければ引く。公開したら、URLとお礼を送り、更新と取り下げの窓口を持ち続ける。

最初の1通は、今日のうちに送れます。直近で成果を報告したお客様を1社だけ選び、例文1を自社の言葉に直すだけです。返事が来るまでの時間より、送るまでの時間のほうが長い。弊社が見てきた依頼は、ほとんどがそうでした。

参考にした公式情報

法律の扱いは状況によって変わります。個別の判断が必要な場合は、専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

SEOを専門に8年以上、上場企業を含む全国のクライアントのWebマーケティングを支援。オンライン受発注サイトでは、454件すべてが「満足」評価(「残念」0件、2026年8月確認)。SEO・LLMO/AIO対策、ホームページ制作を通じて、中小企業のWeb集客と問い合わせ獲得を支援しています。

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