会社のエゴサーチのやり方|社名で検索して見る4つの画面と、記録の残し方

会社のエゴサーチは、会社名で検索して1ページ目を眺めるだけでは足りません。見る画面は4つあります。検索結果、検索窓に出る予測変換、Googleの口コミ、そしてAIが社名について返す回答です。この4つを、Googleからログアウトした状態で、同じ日に見て、日付つきで残す。やり方の骨組みは、これで全部です。
なぜ1ページ目だけでは足りないのか。弊社が自社の名前で確かめたとき、気になるものが出てきたのは、予測変換とAIの回答でした。予測変換には読みの近い無関係の会社が並び、AIの回答には別の会社の実績が混ざっていました。どちらも、社名で検索して上から順に眺めているだけでは目に入らない場所です。
とはいえ、毎週4つの画面を見て回るのは現実的ではありません。月に1回、社名と代表者名だけから始めれば大丈夫です。この記事では、4つの画面でどこを見るか、記録をどう残すか、見つけたものをどう仕分けるかを、弊社が自社とお客様の会社で実際にやっている手順のとおりに書きます。予測変換、口コミ、AIの回答それぞれの直し方は、別の記事に分けてあります。
会社のエゴサーチで見る4つの画面
エゴサーチとは、自分の名前や会社名を検索して、外からどう見えているかを確かめることです。個人の話として使われることが多い言葉ですが、会社でやることは同じです。違うのは、見る画面が1つでは済まないことです。

1つ目は、検索結果です。 社名で検索して、上から10件を見ます。順位は気にせず、1件ずつ誰のページかを見ます。自社の公式サイト、地図の情報、求人サイト、口コミサイト、転職者の口コミ、同じ名前の別の会社。この並びが、初めて御社を調べた人が最初に受け取る印象です。社名に「評判」を足した検索も1回だけ試すと、口コミサイトがどれだけ前に出ているかが分かります。
2つ目は、予測変換と関連する検索です。 予測変換(※)は、検索窓に社名を打ったとき、その下に並ぶ候補のことです。Googleはこの候補を、実際に行われた検索をもとに自動で作っていると説明しています。つまり、社名の後ろに付いている言葉は、誰かが実際に社名と一緒に検索した言葉です。ページの下のほうに出る「関連する検索」も同じ性格のものなので、一緒に見ておきます。
※予測変換=検索窓に文字を打つと、その下に出てくる検索候補のこと。サジェストとも呼ばれます。
ここで「評判」という語が付いていても、慌てなくて大丈夫です。取引や応募の前に御社を調べている人がいる、という印であって、悪評ではありません。弊社が2026年8月に、国の登録業者名簿から無作為に選んだ20社の社名で予測変換を確かめたところ、悪い言葉が付いていた会社は1社もなく、「評判」が付いていた会社が6社ありました。業種を1つに絞った小さな調査ですが、この20社で先に見えてきたのは、汚れより、調べられているという事実のほうでした。
3つ目は、口コミです。 Googleマップで社名を検索し、星の数より先に、いちばん新しい数件と、返信のないまま残っている口コミを見ます。口コミは検索結果にも地図にも出るので、初めての人の目に入りやすい画面です。業種によっては、転職者の口コミサイトや、業界の口コミサイトも同じ扱いで1つ加えます。
4つ目は、AIの回答です。 ChatGPTなどに「〇〇(社名)はどんな会社ですか」と聞いて、返ってきた文章を読みます。ここで出てくるのは、事実と違う説明や、同じ読みの別の会社との混同です。Googleの検索結果の上部にもAIによる概要が出ることがありますが、社名だけの検索では出ないこともあるので、出なければ「出なかった」と記録するだけで構いません。
エゴサーチのやり方。条件をそろえて、同じ日に4つの画面を残す
見る画面が決まったら、次は見方です。ここを省くと、出ているものが誰にでも見えているのか、自分にだけ見えているのかが分からないままになります。順番に5つです。
- まず、シークレットウィンドウで、Googleのアカウントからログアウトした状態にする(※)。 Googleは、検索結果は時間や状況、アカウントの情報によって人ごとに違い、ログインしていると検索履歴などをもとに調整される、と説明しています。予測変換にも、過去の検索にもとづく候補が混ざります。自社名を何度も検索している本人の画面は、いちばん当てにならない画面です。Chromeなら、Macは⌘+Shift+n、WindowsはCtrl+Shift+nで開けます。
- 同じ言葉を使う。 最初は、社名の正式な表記と、代表者名の2つだけで始めます。読みが同じ別の表記(ひらがな、カタカナ、英字)がある会社は、それも1つ足します。一般名詞に近い社名の会社は、社名を半角の引用符で囲んで完全一致で1回検索します。決めた言葉はメモに残し、翌月も同じものを使います。
- AIには、一時チャット(※)で、保存した質問文をそのまま貼る。 ChatGPTでは、新しいチャットの画面にある一時チャットのボタン(英語表示ではTemporary)から開けます(2026年9月時点。位置や名前は変わることがあります)。普段の設定を引き継ぐかどうかを聞かれたら、引き継がない側を選びます。質問は「どんな会社か」「評判はどうか」「取引の前に確認しておくべき点は何か」の3つに固定します。翌月と比べるためです。ログインしたままの通常のチャットで聞くと、過去のやり取りが効いて自社に都合のよい答えが出ることがあるので、ここだけは守ってください。
- 画面を保存し、ファイル名に日付と画面名を入れる。 画面の保存はスクリーンショットで足ります。「20260902_予測変換.png」のように付けると、翌月に並べて見比べられます。AIの回答は、文章をコピーしてメモに貼り、どのサービスで、一時チャットだったかも書き添えます。
- 4つの画面を同じ日に見る。 別の日にばらけると、変化なのか、日ごとの揺れなのかの区別がつきません。予測変換もAIの回答も、日によって変わります。
※シークレットウィンドウ=いつものブラウザとは別に、ログインも閲覧の記録も引き継がないまっさらな状態でページを開く機能。iPhoneのSafariなら「プライベートブラウズ」に当たります。 ※一時チャット=履歴に残さず、過去のやり取りや記憶を使わない状態でAIに質問できる機能。ChatGPTなどに用意されています。
記録の本体はパソコン1台に固定します。そのうえで、スマートフォンでも初回に1度だけ同じことをして、並びの違いを見ておきます。シークレットウィンドウを使っても、端末の種類や現在地の影響は残るためです。パソコンとスマートフォンで並びが違うのは異常ではなく、そういうものだと分かっていれば迷いません。
見つけたものは、この順番で4つに分けます
4つの画面を見ると、たいてい何かは引っかかります。ここで、見つけたものの重さを測る前に、種類を分けます。種類で、次にやることと、誰に頼むかが決まるからです。3つの問いを順に当てていくと、4つのどれかに落ちます。
最初の問いは、それは本当のことか。 本当のことなら、種類は「事実」です。厳しい口コミ、過去に実際にあった出来事、退職者の率直な感想。事実は消えませんし、消そうとするほど話が大きくなります。やることは、中身への返信と、社内で直すことです。正直に言うと、4つの中でいちばんこたえるのがこれです。ただ、事実への対応は、誰かに削除や訂正を頼まなくても、自社の返信と改善だけで進められる種類でもあります。
次の問いは、それは自社の話か。 本当のことではあるが自社の話ではない、というものがあります。同じ名前や、読みの近い別の会社の出来事が、自社のこととして出ている状態です。種類は「混同」です。予測変換に別の会社の候補が並ぶ、AIの回答に他社の実績が混ざる、といった形で現れます。相手の会社に落ち度はなく、削除を申し立てる話でもありません。自社の情報が、外から見て同じ1社だと分かる形になっていないことが原因なので、会社概要やサービスページの側を整える作業になります。
最後の問いは、それは今も本当か。 自社の話で、かつては本当だったが今は違う、というものは「古い」です。移転前の住所、終了した事業、以前の代表者名。公式サイトを更新し、外部の登録媒体(地図、業界団体の名簿、ポータルサイトなど)の表記を直せば、時間はかかっても自社で進められます。
3つの問いをすべて抜けたものが「誤り」です。 自社の話で、事実でもなく、古い情報でもない。事実に反する口コミ、根拠のない噂、AIが作った存在しないサービス。ここだけが、媒体への報告や、内容によっては弁護士に相談する領域になります。弊社がこれまで見てきた限りの実感ですが、ここに落ちるものは多くありません。
分けてみると、自社の中で直せるものが思ったより多いことに気づくはずです。逆に、業者に頼まないと何もできない、という状態はそう多くありません。
頻度と続け方。月1回、決まった日に、まず社名と代表者名だけ
エゴサーチは、1回やって終わりにすると意味が薄くなります。1回目の記録は、2回目があって初めて比べる相手になるからです。とはいえ、毎日見ると今度は日ごとの揺れに振り回されます。月に1回、決まった日に見る。この間隔なら、揺れに惑わされずに変化だけを拾えます。請求書を出す日や月初の会議の日など、すでにある予定に相乗りさせるのがいちばん確実です。
全部は大変なので、最初は社名と代表者名だけにします。主力サービスの名前や、店舗ごとの名前は、2回目以降に足しても遅くありません。担当を決めるなら、経営者本人よりも、毎月同じ手順を淡々と繰り返せる人のほうが向いています。見つけたものの判断は経営者がする。この分担なら続けられます。
記録は、画面の保存とは別に、1枚のメモにまとめておきます。架空の例ですが、この短さで足ります。
2026年9月2日 パソコン・シークレットウィンドウ 言葉:社名/代表者名 検索結果:公式サイトが1位。4位に転職口コミサイト(未確認) 予測変換:「評判」「採用」。先月と同じ 口コミ:新着1件、返信済み。未返信なし AI:一時チャット、質問3つ。事業内容は合っている。所在地が移転前のまま 分けた結果:古い1件(所在地)。ほかはなし 次にやること:外部の登録媒体の住所を直す
何も出なかった月は、「なし」と書いて終わりで構いません。この「なし」の記録が、あとで効いてきます。
4つの画面のうち地図を見たときに、営業時間や住所が自分の記憶と違っていたら、誰かが編集したか、Googleが自動で更新した可能性があります。その場合の確かめ方はGoogleビジネスプロフィールが勝手に登録・編集されたらにあります。
月に1回のあいだを埋める道具として、Googleアラートも使えます。社名を登録しておくと、その言葉を含む新しいページが見つかったときにメールで知らせてくれる無料の機能です。ただし、予測変換、口コミ、AIの回答は拾えません。あくまで補助で、月1回の4つの画面の代わりにはなりません。
見つけたあとの動き方。画面ごとに、直し方の記事を分けています
分けたあとに何をするかは、画面ごとに事情が違います。この記事で全部を書くと長くなりすぎるので、それぞれ別の記事にしてあります。
予測変換に望まない言葉が付いていた場合。 候補には、Googleがポリシー違反として削除する類型と、報告しても動かない類型があり、その区別はGoogleの公開文書で読めます。どちらに当たるかの見分け方、報告の手順、消えなかったときに自社でできることは、サジェスト汚染とは?会社名に出る原因と対策、削除できる条件にまとめてあります。
口コミに低い評価や事実と違う内容があった場合。 多くの口コミは消えない前提で、削除の報告、返信、予防の3つをどの順番で進めるかは、会社の口コミ対策。削除・返信・予防のどれから始めるかにまとめています。実際に返す文面は、口コミの返信例文に、良い口コミ、悪い口コミ、事実と違う口コミ、星だけの低評価に分けて置いています。
AIの回答が事実と違っていた、または別の会社と混ざっていた場合。 弊社自身が読みの同じ別会社と混同されていた経験と、サイト内の6か所を直して測り直した記録を、AIの誤情報で自社が別の会社と説明されていたらに残しています。
検索結果の上位に、自社以外のページばかりが並ぶ場合。 事実と違う記事が上位にあるなら、媒体への訂正依頼が先で、順位を下げる目的の施策には手を出さないことをおすすめします。頼んだ側に何が返ってくるかは、逆SEOとは?手法と費用相場、頼んだ側に返ってくるリスクで説明しています。それ以外の多くは、自社の公式情報が足りていないことが原因です。会社概要、サービス、代表者の情報が、外から見て同じ1社のものだと分かるように整える作業になります。上のAIの記事に書いた6か所の整え方は、検索結果に対しても同じ考え方で使えます。
検索結果そのものに自社が出てこない場合は、ホームページが検索に出てこない原因と直し方に直し方を分けて書いています。
社名検索レポート(無料)で、弊社がお渡ししているもの
この記事の手順は、弊社の風評被害対策で最初に行う調査そのものです。社名をお知らせいただければ、この記事と同じ4つの画面を弊社が見て、気になる点を3つまで添えたA4 1枚のレポートを、3営業日でお送りしています。費用はかかりません。本当かどうかの判定や、直す計画づくりは無料の範囲の外で、そこから先を詳しく調べる必要があるかどうかは、レポートを見ながら一緒に判断します。
レポートで弊社が欠かさないのは、いつ、どの条件で取ったかを必ず書くことです。AIの回答も予測変換も、日付とログイン状態で変わります。条件が書いていない画面は、3か月後に見比べる材料になりません。自社で続けていただく場合も、ここだけは同じようにしていただけると、あとで弊社や他の専門家に相談するときに、話が最初から通ります。
会社のエゴサーチについてよくある質問
自分で何度も社名を検索すると、予測変換や検索順位に影響しますか
検索の少ない社名ほど、影響しないとは言い切れません。Googleは、候補は実際に行われた検索をもとに作られると説明しているので、社名と悪い言葉の組み合わせを社内で繰り返し打つのは避けます。もう1つ確かなのは、ログインしたまま検索を重ねると本人の画面にだけ出る候補が混ざることです。確認はシークレットウィンドウで、社名と代表者名だけを打ちます。
スマホとパソコンで結果が違うのはなぜですか
端末、場所、ログインの状態で結果が変わるからです。Googleも、現在地や言語、端末の種類によって検索結果が変わると説明しています。記録は1台に固定して、同じ条件で残します。スマートフォンは、初回に違いを見ておく程度で構いません。
AIに社名を聞いても「情報がありません」と返ってきます。問題ですか
誤った説明が出るよりは安全ですが、調べた人に判断材料が届いていない状態ではあります。AIは公式サイトなどの公開情報を手がかりに答えるので、会社概要や事業内容が公式サイトに十分書かれているかを先に確認してください。書いてあれば、あとは翌月も同じ質問で記録を続けるだけです。
X(旧Twitter)などのSNSも見るべきですか
月1回の4つの画面に、社名での投稿検索を1つ加える程度でよいと思います。SNSは投稿が流れていくので、検索結果や口コミほど長くは残りません。SNSの運用そのものは、この記事の範囲の外です。
転職口コミサイトの評価が低いのを見つけました。エゴサーチの範囲で何ができますか
まず本文の4つの分け方に当てはめます。事実なら社内で直すことが先で、事実と違う内容なら媒体ごとの手続きで訂正や削除を求められます。応募者は社名検索でその画面を見ているので、公式サイトの採用ページに自社の現状と考えを書いておくことが、並行してできる対応です。
月1回では、何かあったときに気づくのが遅れませんか
口コミは、Googleの店舗・会社向けの管理画面(ビジネスプロフィール)で新着を確認でき、新しいページはGoogleアラートで知らせてもらえます。月1回の確認は、それらで拾えない予測変換とAIの回答を見て、全体を並べて比べるための時間です。日々の異変はほかの仕組みに任せ、月1回は比較に使う。この分け方なら負担が増えません。
まとめ:来月と比べられる形で、1回目を残す
会社のエゴサーチで見るのは、検索結果、予測変換、口コミ、AIの回答の4つ。やり方は、シークレットウィンドウで、同じ言葉を使い、同じ日に見て、日付つきで保存する。見つけたものは、本当か、自社の話か、今も本当か、の順に問いを当てて、事実、混同、古い、誤りに分ける。
最初の1回は、社名と代表者名だけで構いません。4つの画面を見て、日付を付けて残す。何も出なくても、その記録が来月の比べる相手になります。出てきたものの意味が分からない、自分で分けきれない、という場合は、無料の社名検索レポートをお使いください。同じ手順で弊社が測り、気になる点をお伝えします。
参考にした公式情報
- Google 検索 ヘルプ「Google の予測入力候補の仕組み」(2026年9月2日確認)
- Google 検索 ヘルプ「Google の予測入力候補を管理する」(2026年9月2日確認)
- Google 検索 ヘルプ「Google 検索の検索結果が他のユーザーと異なる理由」(2026年9月2日確認)
- Google Chrome ヘルプ「シークレット モードでブラウジングする」(2026年9月2日確認)
- Google 検索 ヘルプ「Google 検索の AI による概要で、情報をすばやく簡単に見つける」(2026年9月2日確認)
- Google 検索 ヘルプ「アラートの作成」(2026年9月2日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」(2026年9月2日確認)
- OpenAI ヘルプセンター「Temporary Chat FAQ」(英語・2026年9月2日確認)
