ホームページの管理会社は変更できる?変える前に確かめる名義・権利・契約と進め方

ホームページの管理会社は、変更できます。制作会社からの乗り換えも、公開後の管理だけを別の会社へ頼む形も、珍しいことではありません。
変えやすさを左右するのは、ドメイン、サーバー、ログイン、著作権、データの5つです。それぞれが自社と管理会社のどちらの名義・権利になっているかで、手間が大きく違ってきます。
5つの確かめ方のあとに続くのは、変えずに直せる不満の見分け方と、変えると決めたときの順番です。
ホームページの管理会社は変更できる。変えやすさは5つの名義と権利で決まる
先に確かめるのは、次の5つが、いま誰の名義・権利になっているかです。
| 確かめるもの | まず見る場所 |
|---|---|
| 名義1:ドメイン | 更新の案内と請求が、ドメインの事業者から自社へ直接届いているか |
| 名義2:サーバー | 請求がサーバーの事業者から自社へ直接届いているか、契約者の欄 |
| 名義3:管理画面と計測のログイン | 自社の名前で入れる管理者の権限があるか |
| 権利1:著作権 | 契約書の「著作権」「成果物」の条項 |
| 権利2:データ | 問い合わせや会員の情報の保存先と、契約終了時の扱い |
この5行を写し、横に「自社」「いまの会社」「分からない」のどれかを書けば、確認表になります。先に見るのはドメインです。ここが自社の名義なら、管理会社を変えても、いまのURLとメールアドレスを使い続けられます。
名義を確かめる3つ:ドメイン・サーバー・ログイン
名義とは、契約や登録の持ち主として書かれている名前のことです。立ち上げのときに制作会社が手続きを代行し、そのまま制作会社の名義になっているのは、よくある形です。
名義1:ドメイン
ドメイン(サイトの住所にあたる名前)には、登録者という名義があります。名義が制作会社なら、変える前に、自社の名義へ移してもらえるかを聞くのが先です。ドメインの事業者を移す手続き(移管)も、いまの登録者を通して進みます。
手がかりは、更新の案内と請求が、ドメインの事業者から自社へ直接届いているかどうかです。確かな名義が分かるのは、事業者の管理画面です。登録情報を検索できるサービスは、名義が表示されない設定だと分かりません。
この移管は、ドメインの種類によっては、登録や前回の移管、名義変更の直後に受け付けてもらえない期間があります。変える時期が決まっているなら、名義だけでも早めに確かめておきたいところです。
名義2:サーバー
サーバー(サイトのデータを置く場所)で見るのは、契約者の欄が自社か制作会社かです。どちらかによって、解約のときにデータを取り出せるか、契約ごと引き継げるかが変わることがあります。確かめる先は、契約約款と管理画面です。
会社のメールもそのサーバーに置いているなら、サイトと一緒にメールの移し方も決めることになります。メールの設定をどこでしているかは、早い段階でいまの会社に聞いておく項目です。
名義3:管理画面と計測のログイン
ホームページの管理画面(WordPressなど)で見るのは、自社の名前で入れる管理者の権限があるかどうかです。無ければ、変える前に1つ発行してもらいます。
検索の状況を見る管理画面(Search Console)は「所有者」、アクセス解析は「管理者」の権限が、自社のGoogleアカウントに要ります。見られるだけの権限では、人を足すことも外すこともできません。
Search Consoleは、自社でも持ち主の確認(画面では「所有権の確認」)を済ませておくと、前の会社が外れたあとも開けます。ここまで自社にあれば、管理会社を変えても同じ数字を見続けられます。
広告を出している場合の名義は、リスティング広告の運用代行と、契約書で確認する3項目で扱いました。
権利を確かめる2つ:著作権とデータ
権利は、中身を誰が使えるかの話です。ホームページの所有権はどちらにあるのか、という疑問は、前の章の名義と、次の著作権に分けると整理できます。
権利1:著作権
デザインや文章、写真の著作権は、原則として作った側に生まれます。制作費を払っただけでは移りません。契約書で見るのは、譲り受ける形なのか、使ってよい範囲を決める形なのかです。
権利が制作会社に残っているからといって、いまのサイトがすぐ使えなくなるとは限りません。別の会社が作り替えるときに、どこまで手を入れてよいかが契約で変わる、という話です。
社員が仕事として書いた原稿や撮った写真は、ふつう自社のものとして扱えます。外部のカメラマンやデザイナーに頼んだ写真やロゴは、そのときの契約しだいです。
権利2:データ
問い合わせフォームの受信内容や会員の情報が、制作会社のシステムに保存されていることがあります。この場合、預けた側の自社にも委託先を監督する責任がある、というのが個人情報保護のガイドラインの考え方です。
契約書で見るのは、契約が終わるときにデータをどの形で受け取れるか、相手側でいつ消すかの2点です。書かれていなければ、変える前に取り決めておくと安心です。
サイト一式のデータ(ページ、画像、原稿)を受け取れるかも、契約書で確かめます。頼み方は、WordPressの修正・改修の相談事例の相談4に、5点でまとめました。
変える前に、止まっていることを「誰の番か」で書き出す
返事が遅い、報告が無い。変えたい理由がこの2つなら、先に試せることがあります。止まっている件を1行ずつ書き出し、それぞれに担当と期限を入れる方法です。
弊社がお客様と共有する進捗の表の型には、「担当・期限・状態」の列があります。弊社側の未完了も、同じ表に書く決まりです。相手の宿題だけを書くと、催促の表になってしまうからです。

書き出した件は、次の3つのどれかです。
| 書き出して分かったこと | 変える前にできること |
|---|---|
| 自社の番で止まっている(原稿や写真、確認の返事) | 渡す日を決めて伝える |
| 相手の番だが、期限が決まっていない | 期限と、返事の方法を決めてもらう |
| どちらの番でもない(契約に入っていない作業) | 範囲を足すか、その作業だけ別に頼む |
上の2行は、管理会社を変えなくても動かせます。3行目は、契約の範囲の話です。
範囲を足すかどうかの判断材料は、運用代行と保守の違いと管理費・保守費用の相場と請求の読み方です。
期限を決めても動かない、名義を自社へ移す相談に応じてもらえない、頼みたい範囲を受けてもらえない。書き出したあとにこのどれかが残るなら、変える理由としては十分です。
名義の相談に応じてもらえないときだけは、解約を伝える前に、契約書を持って専門家へ相談します。
3つとも残らなければ、変えずに続けてかまいません。書き出した表は、いまの会社との毎月の確認にそのまま使えます。
管理会社の変更・制作会社の乗り換えは、この順番で進める
順番で大事なのは、いまの契約を終える前に、次の担当を決めておくことです。先に解約を伝えてしまうと、更新やバックアップを見る人がいない期間ができてしまいます。
- 5つの名義と権利を書き出す(分からない欄は空けたままでよい)
- 次に頼む管理会社や保守会社、または社内の担当を決める
- 契約書で、解約を伝える期限、最低利用期間、自動更新を確かめる
- いまの会社へ、引き継ぎのお願いとして伝える
- 切り替える日を決め、切り替えたあとに見直す場所を確かめる

2で決めた担当には、引き継いだあとの更新と復元を誰が持つかも聞いておきます。考え方はWordPressの保守で自分でやる範囲と任せる範囲に書きました。
3で開くのは、契約書の契約期間と解約の条項です。自動更新なら、見るのは次の更新日と、いつまでに伝える決まりかです。
4の伝え方に、責める言葉は要りません。これまでの対応へのお礼を添えると、相手も動きやすくなります。
切り替えたあとに、前の情報が残りやすい場所
管理会社が替わっても、連絡先や権限が前の担当のまま残ることがあります。
- 連絡先:フォームの通知メールの宛先、ドメインやサーバーの更新案内の宛先
- 権限:管理画面、検索の管理画面、アクセス解析に残っている前の担当のアカウント
- 画面に出ない設定:検索結果に出る会社名などのもとになる設定、サーバーを移した場合の転送
後から困りやすいのは連絡先です。更新の案内が前の担当に届いたままだと、期限に気づけません。権限は、前の会社に残ってもらう期間を決めたうえで外す流れです。
弊社が引き継いだサイトでも、画面には出ない設定に、組織名の誤りが残っていたことがありました。ページごとのURLが変わる場合は、リニューアル後の検索順位と転送の確認が手がかりです。
別の会社が作ったホームページの引き継ぎや保守のご相談は、ホームページ制作・リニューアルの支援内容と同じ窓口でお受けしています。
ホームページの管理会社の変更についてよくある質問
ホームページの管理会社は、契約の途中でも変更できますか?
契約書の、解約を伝える期限と最低利用期間によります。期間が残っているなら、満了の日に合わせて準備を進めるのも一つの方法です。月額制の契約で見る点は、ホームページ制作の費用と、月額制で確認することに書きました。契約中の月額制を続けるかやめるかの決め方は、ホームページのサブスク(月額制)のデメリットは?続ける・範囲を変える・やめるの決め方にあります。
ホームページの所有権は、制作会社と自社のどちらにありますか?
所有権として気になる中身は、たいてい著作権と、ドメイン・サーバーの名義の2つです。著作権は原則として作った側に生まれ、譲り受けるかどうかは契約で決まります。名義のほうは、請求や更新の知らせが事業者から自社へ直接来ているかが手がかりです。確かな名義は、登録情報と契約者の欄で確かめます。
管理会社を変えると、URLやメールアドレスは変わりますか?
ドメインの名義が自社にあるか、自社へ移してもらえれば、同じURLとメールアドレスを使い続けられます。メールもサイトと一緒のサーバーにある場合は、移す日に止まらないよう、メールの設定も引き継ぎの項目に入れておくと安全です。
ホームページの移管には、どれくらいの費用と期間がかかりますか?
何を移すかで変わります。サーバーの引っ越し、ドメインの移管、計測の権限の引き継ぎのどこまでを含むかが、最初に決めることです。費用の相場の幅は、WordPressの修正費用と時間の目安に載せました。期間には、前の会社の返事待ちも入ります。
制作会社からサイトのデータを渡してもらえないときは、何から確かめますか?
まず契約書で、データの引き渡しと著作権の条項を確かめます。自社で用意した原稿や写真は、社内に残っている元のデータから集め直せます。相手と連絡がつかない、名義の変更に応じてもらえない、という場合は、契約書を持って専門家に相談する段階です。
社内の担当者が替わるときの管理の引継ぎでも、確かめることは同じですか?
同じ5つです。加えて、ログインに使っているアドレスが前の担当者個人のものになっていないかを見ます。会社で管理しているアドレスへ付け替え、保管場所を決めておくと、次の交代でも迷いません。
まとめ:変えるかどうかは、5つを書き出してから決める
管理会社は変更できます。変えやすさを決めるのは、5つの名義と権利が誰にあるかです。
止まっている件を誰の番かで書き出すと、いまの契約のまま直せるものと、変えないと直らないものが分かれます。直せるものだけなら変えずに続け、残るものがあるなら、次の担当を先に決めてから伝える順番です。
確認表に「分からない」が残ったら、その欄が、いまの会社に最初に聞くことです。
