ホームページの管理費・保守費用の相場は?請求の中身を確かめる読み方

毎月の請求書に「保守管理費」の1行だけがあって、何をしてもらっているのかが分からない。この金額が普通なのかも分からない。ホームページの管理費や保守費用のご相談は、たいていここから始まります。
中身を知らないまま払い続けている状態のほうが、むしろ普通です。保守の作業は画面に出ませんし、呼び方は会社ごとに違い、請求書に作業の内訳まで書かれていることはまれです。
ホームページの保守費用や管理費の相場は、「何が含まれているか」で決まります。同じ月額でも、監視とシステムの更新だけの契約と、文章や画像の更新代行まで含む契約とでは、妥当かどうかの答えが変わるからです。
この記事では、月額保守の公開料金を弊社で集め、含まれる作業の型ごとの幅を出しました。そのうえで、自分の請求を4つの層に分けて、幅のどこに置くかを確かめる手順を書いています。読み終えるころには、自分の月額が幅のどのあたりにあるか、次に誰へ何を聞くかが言えるはずです。
ホームページの管理費・保守費用は、何に払っているお金か
ホームページの保守管理とは、公開したサイトを止めずに保ち、必要に応じて中身を動かすための作業をまとめた呼び方です。呼び方は会社ごとに違い、維持費、管理費、保守費、運用費用、月額費用のほか、請求書の名目が「保守料」「管理料」「年間保守料」になっていることもあります。
名前は違っても、保守の内容は次の4つの層のどれか、またはその組み合わせです。
- 実費:サーバー、ドメイン、SSL(※)。払わないとホームページが止まるもの
- 守る:本体やプラグイン(※)の更新、バックアップ(※)、監視(サイトが止まっていないかの見張り)、障害が起きたときの対応
- 動かす:文章や画像の更新代行と、軽微な修正を月に何回まで、と決めた枠
- 増やす:アクセスの計測、毎月の報告、改善の提案
※SSL=通信を暗号化する仕組み。アドレスが「https」で始まるサイトには入っています/プラグイン=WordPressに機能を足す部品/バックアップ=サイトの控えのデータ。壊れたときに戻すために取っておくものです
4つのうち、請求が妥当かどうかを左右するのは「守る」と「動かす」です。実費は誰の名義でいくら払っているかを見れば済み、「増やす」が入っているかは毎月の報告が届いているかで分かります。文章や写真を自社で直せる体制なら、「動かす」の層は契約に入れなくても済みます。

「維持費」という言葉は、これから作る方がサーバーやドメインなどの実費を指して使うことが多い言葉です。すでに業者に払っている方の「保守費用」「管理費」は、実費に「守る」から先の作業を足した月額を指すことが多く、この記事は後者を中心に書きました。
ホームページの保守費用・管理費の相場。含まれる作業ごとの月額の幅(2026年9月調査)
相場は、月額いくらと一つの金額で言えるものではありません。含まれる作業の範囲で決まります。
2026年9月26日と27日に、月額の保守・管理・更新代行の料金を公開している提供元57件・121プランを弊社で集め、含まれる作業の型で4つに分けて幅を出しました。金額は各社のページに表示されているとおりで、税込と税抜が混在しています。年額表示のものと、内訳の分からないものは幅から外し、他社の社名と個別の料金は出していません。
| 含まれる作業の型 | 月額の幅 |
|---|---|
| 守る(本体・プラグインの更新、バックアップ、監視、障害対応まで) | 1,000円台〜5万円台。2万円前後が中心 |
| 動かす(文章や画像の更新代行、軽微な修正の定期枠つき) | 1,000円台〜20万円。2万円前後が中心で、月の作業時間や回数で段が付く |
| 増やす(アクセスの計測・報告・改善提案・SEO対策=検索で上に出すための作業を含む) | 5,000円台〜60万円。4万円前後が中心 |
| サブスク制作型(サイト本体込み・初期費用0円など) | 3,000円台〜3万円弱。1万円前後が中心。最低契約期間が付くことが多い |

同じ型の中で幅が付く理由は、おおむね決まっていました。月に頼める作業の時間や回数(無制限を含む)、監視や復旧まで含むか、対応の速さ、初期費用と最低契約期間。金額が違うのは範囲が違うからで、安いから手を抜いている、高いから安心、とは言えません。
「守る」と「動かす」の中心が同じあたりにあるのも、この調査で分かったことです。つまり中心の金額が同じでも、監視までの契約と、更新の枠まで入った契約が混ざっています。見るのは「更新の枠が入っているか」と「その枠を使っているか」の2つで、次の節で確かめるのはそこです。
表の幅には、サーバー代などの実費を月額に含む提供元と含まない提供元が混ざっています。自分の月額に実費が入っているなら、内訳で分けられる分は除いて当てると比べやすくなります。
サーバー・ドメインなどの実費だけの料金は、この調査では集めていません。実費は、サーバー会社やドメイン会社からの請求か、業者の請求の内訳で金額が分かります。実費を含めた初年度の総額の考え方は、ホームページ制作の費用と初年度総費用の考え方にまとめてあります。
自分の請求を、この幅のどこに置くか。5つの手順
自分の契約が幅のどこにあるかは、請求書と契約書を並べて、次の順に確かめると分かります。
- 契約書か申込書の「業務内容」「サービス内容」の項目を、そのまま書き出す
- 毎月の報告書や作業の記録が届いているかを確かめる
- 管理画面とサイトで3つを確かめる。本体・プラグイン・テーマ(サイトの見た目の型)の更新が溜まっていないか、バックアップの日付、問い合わせフォームから自分で送って届くか
- サーバーとドメインの契約が誰の名義で、いくらを誰が払っているかを確かめる
- 1で書き出した項目を、実費・守る・動かす・増やすの4つに振り分け、前の節の表(含まれる作業の型ごとの月額の幅)に当てる
1から5を全部そろえなくても構いません。まず1と3を見れば、契約に書いてある作業が実際に行われているかは、おおよそ見当がつきます。
3の更新は、WordPressなら「ダッシュボード」の中の「更新」が、本体・プラグイン・テーマの更新待ちを一覧で見られる場所です。バックアップの日付は自分では見られないことも多いので、見られなければ2の報告書か、次の節の聞き方で「最新のバックアップはいつですか」と聞けば足ります。
そもそも管理画面に入れない(ログイン情報を持っていない)なら、それ自体が業者に聞くことの1つ目です。WordPressで作られていないサイトでも、考え方は同じです。
後から揉めやすいのは4です。名義が業者側にあると、契約を終えるときにサイトごと止まることがあるので、早めに確かめておくと安心です。名義は、サーバー会社やドメイン会社からの請求や更新の案内が自社に届いているかで、おおよそ分かります。
5で当てる行は、含まれている作業のいちばん上の層で決めます。守ると動かすの両方が入っていれば「動かす」の行、毎月の報告や改善の提案まで入っていれば「増やす」の行が、比べる相手です。制作費を払わず、サイト本体ごと月額で持っている形なら「サブスク制作型」の行です。この型の契約を続けるか、範囲を変えるか、やめるかの決め方は、ホームページのサブスク(月額制)のデメリットは?続ける・範囲を変える・やめるの決め方にまとめました。
振り分けるときの目安は、請求書や見積書によくある次の言葉です。
| 請求書や見積書によくある言葉 | 4つの層のどれか |
|---|---|
| サーバー費用、ドメイン更新料、SSL証明書 | 実費 |
| システム保守、セキュリティ対策、バックアップ、監視 | 守る |
| 更新サポート、更新代行、修正対応(月○回・月○時間まで) | 動かす |
| アクセス解析レポート、運用サポート、改善提案、SEO対策 | 増やす |
「運用サポート」のように名前だけでは決まらない言葉は、業務内容の中身で決めます。
振り分けて残るのは、たいてい2つのどちらかです。含まれているのに使っていない枠なら範囲を変える相談、含まれていないのに期待していた作業なら追加で頼む相談で、どちらも次の節の聞き方で進められます。どちらも残らなければ、いまの契約は範囲どおりです。
内訳が分からないときに、業者へ聞くこと
契約書が手元にない、業務内容が「保守一式」としか書かれていない。そういう場合でも、業者に聞けば分かることがほとんどです。内訳が見えないのは、たいてい説明の仕方の問題です。
責める聞き方をしなくても、聞くのはこの3点だけです。
- 契約に含まれている作業の一覧をもらえますか
- 直近3か月にしていただいた作業を教えてもらえますか
- 含まれていない作業を頼んだときの費用は、どう決まりますか
返事で、次にすることが決まります。範囲が合っているなら、そのまま続けて問題ありません。使っていない枠があるなら、範囲を変える相談ができます。頼みたい作業が範囲の外なら、追加で頼むか別の依頼先を探す、という判断です。
3点を聞いても返事が来ない場合は、話が変わります。最初に見るのは、ドメインとサーバーの名義がどちらにあるかです。連絡そのものは取れる相手なら、引き継ぎの依頼文を送るところからで、手順はWordPressの修正・改修の相談事例の、前の業者から引き継ぐ節にまとめてあります。
相手と連絡が取れない、名義を返してもらえないときは、契約書を持って専門家に確かめる段階です。弊社では、そこまでの経緯を伺ったうえで、できることをお伝えしています。
弊社の保守で、毎月見ているもの
弊社のサイトもWordPressで、確かめるのは月に1回、決まったものだけです。本体・プラグイン・テーマに更新が出ていないか。出ていれば、バックアップを取ってから当てる、という順番です。 WordPressの管理画面での点検順と、自社で行う作業の線引きは、WordPressの保守は必要?自分でやる範囲と任せる範囲の線引きで具体的に見られます。
ほかには、バックアップが取れているかの日付、問い合わせフォームの受信テスト(自分で送って届くか)、会社名や記事が検索に登録されているかです。「守る」のうち、弊社が自分の手でしているのはここまでです。
フォームは、送れたと出るのに届かないことがいちばん起きやすい場所です。確かめる場所は問い合わせフォームの自動返信メールが届かないに分けて書きました。
「増やす」の層は、別の作業です。お客様のサイトでは、毎月の報告を「数字の変化・読み取り・次に試すこと」の3つに分けてお出ししています。広告・検索・計測の数字を、その報告でどう次の改善に回したかは、札幌はるかぜ治療院様の事例にあります。
保守を払っているだけでは、問い合わせは増えません。「守る」は減らさないための作業で、増やすには入口や文章を直す別の作業が要ります。原因の見分け方は、ホームページから問い合わせが来ない原因は2つが案内役です。 保守・更新代行・運用代行の違いを、翌月に手元へ残るもので分けた記事がホームページの運用代行と保守は何が違う?費用の段階と、頼む範囲の決め方です。
弊社では、他社で作ったサイトの保守や引き継ぎ、公開後の改善もお受けしています。制作・リニューアルの支援の範囲と進め方はホームページ制作・リニューアルの支援内容にあり、保守や引き継ぎのご相談も同じ窓口です。料金は固定にしておらず、ご相談の内容を伺ってからお見積もりします。
これから作る人へ。維持費は「2年目以降に毎月・毎年かかるもの」で見る
これからホームページを作る方が「維持費」で調べているなら、見るのは2年目以降です。初年度は制作費が大きく、維持費は見えにくくなります。2年目からは、実費(サーバー・ドメイン・SSL)に「守る」を足したものが毎月・毎年かかり、「動かす」は頼む分だけ足される形です。
実費の払い方には、業者の月額にまとめて請求される形と、自社がサーバー会社やドメイン会社へ直接払う形の2通りがあります。自社名義で直接払う形にしておくと、業者を変えるときにサイトが止まりにくいので、これから契約する方はここを先に決めておくと安心です。
初年度にいくらかかるかの計算と、見積書を7つに分けて読む方法は、ホームページ制作の費用と初年度総費用の考え方にあります。初期費用0円・月額制で確かめることも、同じ記事に挙げてあります。
制作会社を地元で比べるときの最低契約期間と解約後のサイトの扱いは、札幌のホームページ制作費用の相場と比べ方に書きました。
ホームページの管理費・保守費用についてよくある質問
保守費用と管理費、維持費は何が違うのですか?
決まった定義はなく、会社ごとに使い分けが違います。おおまかには、維持費は実費、保守費用や管理費は実費に作業を足した月額を指す傾向です。名目が「年間保守料」「管理料」でも中身は本文の4つの層のどれかに分けられるので、言葉より契約書の「業務内容」で見ると迷いません。
月額1万円前後の保守は、高いですか?安いですか?
金額だけでは判断できません。今回の調査では、月額1万円前後は「守る」の幅の下のほうで、「サブスク制作型」なら中心あたりでした。同じ金額でも、含まれる作業で位置が変わります。契約書の業務内容を本文の表の4つの型に当てて、幅のどこにあるかを見るのが早いです。
何も頼まない月も同じ金額を払うのは普通ですか?
定額の保守では普通です。定額の中身は、何かが起きたときに動ける体制と監視、それに更新の枠で、頼まない月があっても体制と監視の分は使っています。更新の枠が毎月余っているなら、枠を小さくするか都度の依頼に切り替えるかを相談する余地があり、都度の修正にかかる費用の目安はWordPressの修正・改修の相談事例の費用の節にあります。
保守費用の勘定科目は何になりますか?
法律で決まった科目があるわけではなく、通信費、支払手数料、業務委託費など、会社によって処理が分かれます。毎年同じ扱いにすることのほうが大事で、どれにするかは顧問の税理士に確認してください。契約の内訳が分かっていると、実費と作業の分を分けて処理するかどうかも相談しやすくなります。
請求が「リース料」になっている場合、保守費用とは違うのですか?
多くは別物です。リース料は、機器やソフトをリース会社から借りて使用料を毎月払う契約で、支払先がリース会社なのが目印です。保守は別契約のことが多いです。見るのは契約書の題名、支払先、残りの回数、途中でやめるときの条項です。解約できるかは弊社では判断できません。弁護士会の法律相談か商工会議所・商工会の窓口へ、個人事業の方は消費生活センター(国民生活センターの案内)で受けてもらえる場合もあります。
保守契約をやめると、ホームページはどうなりますか?
契約書の3か所で決まります。サーバーとドメインの名義、サイト一式のデータを渡してもらえるか、解約の条件(何か月前に申し出るか、残りの期間の支払い)です。読めない場合は、やめる前に業者へ確かめるのが先です。引き継ぎの依頼文は本文で紹介した相談事例の記事に、作り直しも含めて見積もりを取り直すときの揃え方はホームページ制作の見積書の比較で揃える3つの条件にあります。
まとめ:請求書と契約書を並べて、「業務内容」を書き出す
ホームページの管理費・保守費用の相場を、今回は含まれる作業の型で4つに分けて見てきました。型ごとの幅は表のとおりで、同じ月額でも、どこまで含むかで位置が違います。
自分の契約が妥当かどうかは、金額を眺めていても分かりません。請求書と契約書を並べて、「業務内容」の項目を書き出し、実費・守る・動かす・増やすの4つに振り分ける。それだけで、含まれているのに使っていない枠と、含まれていないのに期待していた作業が見えてきます。
そこまで来たら、次は業者に範囲の相談をするか、引き継ぎを考えるかのどちらかです。どちらに進むかは、書き出した項目の中に、使っていない枠があるかどうかで、たいてい決まります。引き継ぎを考える場合に先に確かめる名義と権利は、ホームページの管理会社は変更できる?変える前に確かめる名義・権利・契約と進め方にまとめました。
参考にした公式情報
- WordPress.org 日本語サポート「WordPress のバックアップ」(2026年9月27日確認)
- 国民生活センター「相談・紛争解決/情報受付」(2026年9月27日確認)
